BFRトレーナーズ協会

コラム

BFRで継続率向上

BFRで継続率向上

澤木一貴です。

前回は、リュック一つで介護施設へ飛び出す「出張型トレーナー」という働き方についてお話ししました。 場所にとらわれず、本当に必要としている人の元へ行く。これからのトレーナーの新しい生き方です。

さて、今回は視点を「場所」から「中身」に戻しましょう。 テーマは「継続率」。つまり、いかにクライアントを辞めさせないか、です。

トレーナーにとって最も辛い瞬間。それは、クライアントからの「来月で退会します」という連絡ではないでしょうか。 引越しや転勤なら仕方ありません。しかし、多くの理由、特に本音の部分はこれです。

「飽きた」 あるいは、 「辛い(キツイ)のが苦痛になった」

マンネリ化したメニューと、翌日のひどい筋肉痛への恐怖。これがフィットネス離れの二大要因です。 「NO PAIN, NO GAIN(痛みなくして成長なし)」なんて言葉がありますが、一般のクライアント、特に初心者や高齢者にその精神論を押し付けるのは、ただの暴力です。

そこで、BFR(血流制限)トレーニングの出番です。 BFRは、この「飽き」と「過度な辛さ」の両方を解決できる、唯一無二のメソッドです。

今回は、私が現場で実践している「クライアントが楽しみながら、気づいたら続いていた」という状態を作る、澤木流のメニュー作成術と、なぜBFRが継続率を高めるのか、その秘密を公開します。


継続率向上

タイトル:クライアントを飽きさせない!「キツイけど楽しい」澤木流BFRバリエーションの作り方

「筋肉痛」は勲章ではない? 継続を阻む壁を壊せ

まず、トレーナーの皆さんに強く訴えたいことがあります。 「筋肉痛にならないと効果がない」という思い込みを、今すぐ捨ててください。

私たちのようなトレーニング愛好家は、翌日に筋肉痛が来ると「よし、効いた!」と喜びます(笑)。しかし、一般の方、特に運動初心者や高齢者にとって、筋肉痛は「生活の邪魔」でしかありません。 階段が降りられない、腕が上がらない。これが続くと、「ジムに行く=痛い思いをする」というネガティブな条件付けがされ、足が遠のきます。

ここに、BFRトレーニングが「継続率最強」と言われる理由があります。

BFRは、重いウエイトによる物理的な「筋破壊」を主目的としません。 血流制限による「化学的ストレス(ホルモン分泌や代謝環境の変化)」によって筋肉を成長させます。 つまり、筋肉の繊維を傷つけにくいので、激しい筋肉痛(遅発性筋肉痛)がほとんど起きないのです。

「トレーニングした直後はパンパンに張って『やった感』があるのに、翌日はスッキリしていて生活に支障がない」 これ、最高じゃないですか?

クライアントは「心地よい疲労感」だけを持ち帰り、翌日の痛みに怯えることなく、またジムに来たくなる。 「キツすぎないから、続けられる」 この絶妙なラインを攻められるのが、BFRの大きな強みです。

「短時間」こそが最強の継続理由

もう一つ、継続の鍵となるのが「時間」です。 第5回でも触れましたが、BFRは「短時間で効果が出る」世界で唯一のトレーニング法と言っても過言ではありません。

「今日は仕事で疲れているから、1時間も運動したくない…」 そう思っているクライアントに、 「大丈夫です。今日はBFRで15分だけ、サクッと流しましょう。それだけで十分成長ホルモンが出ますから」 と言えるかどうか。

長時間拘束されないという安心感。 そして、短時間でもベルトを巻けば確実に筋肉が反応するという信頼感。 この二つが揃えば、離脱率は劇的に下がります。 「とりあえず行けば、すぐ終わるし、スッキリする」という手軽さが、習慣化の第一歩なのです。

澤木流:マンネリを打破する「遊び心」の導入

とはいえ、毎回同じように座ってベルトを巻くだけでは、人間は必ず飽きます。 そこで必要なのが、私、澤木が得意とする「バリエーション(遊び心)」です。

BFRトレーニングは、ダンベルやマシンと違い、「動きの自由度」が高いのが特徴です。 ベルトさえ巻いていれば、その手足は何をしていても効果が出る。 つまり、「トレーニングっぽくない動き」を取り入れることで、クライアントを楽しませることができるのです。

私の講座で紹介している「飽きさせないメニュー」のヒントをいくつか紹介しましょう。

1. 「ゲーム性」を取り入れる(デュアルタスク) 特に高齢者や、運動が苦手な女性に大好評なのがこれです。 例えば、BFRベルトを脚に巻いた状態で、 「しりとりをしながら足踏みしましょう」 「私が投げたボールの色を言いながらキャッチしてください」 といった、頭と体を同時に使う課題(デュアルタスク)を与えます。

脳は「考えること」に集中するので、脚のキツさを忘れます。 気づいたら運動が終わっていて、「あら、もう汗かいちゃった」となる。 しかも、BFRによる血流アップと脳トレの組み合わせは、認知機能向上にも期待できます。 「筋トレ」ではなく「レクリエーション」の感覚で、しっかり体を作ってしまう。これがプロの技です。

2. 「格闘技」の動きでストレス発散 腕にBFRベルトを巻いて、軽いパンチ動作(シャドーボクシング)を行ってみてください。 ダンベルなんて持ちません。素手でOKです。 ベルトの効果で、数十秒打つだけで腕はパンパンになり、ものすごい充実感が得られます。

「嫌な上司の顔を思い浮かべて殴ってください!(笑)」 なんて言いながらやると、クライアントは笑顔でストレスを発散してくれます。 ミット打ちは技術が必要ですが、BFRシャドーなら誰でもすぐにできて、二の腕の引き締め効果も抜群。 「今日はスカッとした!」という感情体験は、最強のリピート理由になります。

3. 「日常動作」をトレーニングに変える ファンクショナルトレーニングの応用ですが、もっと日常に近い動きを取り入れます。 「洗濯物を干す動作」 「掃除機をかける動作」 これらを、あえてBFRを巻いて、大げさなフォームで行うのです。

「家事をする時に、こういう意識で動くとエクササイズになるんですよ」 と教えながら行うと、クライアントは「家で試してみよう」という気持ちになります。 ジムの中だけでなく、クライアントの生活そのものに入り込む。 これができると、信頼関係は盤石になります。

澤木流・メニュー構築の「3段活用」

私が資格取得講座で教えている、飽きさせないためのセッション構成テクニックがあります。 それが「3段活用」です。

  1. ベーシック(基本): まずは教科書通り、正しいフォームでの単関節運動(アームカールやスクワットなど)。ここでしっかりターゲット部位に血液を溜めます。

  2. ファンクショナル(機能): 次に、全身を連動させる動き。ランジツイストや、バランスボールを使った運動など。「動ける体」を作ります。

  3. エンターテインメント(遊び): 最後に、先ほどのゲーム要素や格闘技動作、あるいは少し変わったリズム運動などを数分間。

この3つを、クライアントの性格やその日の気分に合わせてミックスするのです。 真面目な日はベーシック多め。 疲れている日はエンタメ多め。

「今日は何をするんだろう?」というワクワク感を提供し続けること。 それができるのは、BFRという「短時間で確実に効かせられるベース」があるからです。 ベースがしっかりしているからこそ、その上で遊べるのです。

「引き出し」の数が、トレーナーの寿命を決める

「BFR=加圧=ただひたすら耐えるトレーニング」 そんな古いイメージを持っているトレーナーは、すぐに淘汰されます。

私が育てたいBFRトレーナープロは、 「科学的な理論(なぜ効くのか)」「豊富なアイデア(どう楽しませるか)」 の両方を持ったハイブリッドな存在です。

資格取得講座では、今回紹介したようなバリエーションを、実技を通して体感してもらいます。 「えっ、BFRってこんなこともしていいんですか!?」 と受講生は驚きますが、その後に、 「理にかなっていますね!」 と納得してくれます。

トレーナーの引き出し(知識とアイデアの数)は、多ければ多いほどいい。 クライアントが「飽きた」と言う前に、あなたが新しいカードを切る。 「次はこんな面白いことができますよ」と。

そうすれば、クライアントはあなたから離れられなくなります。 「楽ではないけど、辛すぎない。そして何より楽しい」 そんな理想的なトレーニング空間を、BFRで作ってみませんか?

次回は、視点をガラッと変えて「アスリート」の世界へ。 怪我をした選手を休ませない。驚異的なスピードで復帰させる「BFRリハビリ」についてお話しします。 スポーツトレーナーや治療家を目指す方には、必読の内容です。

サワキジム
https://sg-personal.com/

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BFRトレーナーズ協会

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通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。

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