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「ミトコンドリア」を増殖させるBFR

「ミトコンドリア」を増殖させるBFR

「ミトコンドリア」を増殖させるBFR

澤木一貴です。

これまでのコラムでは、BFRトレーニングが「筋肥大」や「糖尿病対策」、そして「リハビリ」にどう役立つかを熱く語ってきました。 今回は、少し視点をミクロな世界に移しましょう。 テーマは、私たちの身体の奥深く、細胞の一つひとつに存在する「ミトコンドリア」です。

「ミトコンドリア? 名前は聞いたことあるけど、生物の授業で習ったきりだな……」 「エネルギーを作る場所だっけ?」

もし、あなたがトレーナーとして、その程度の認識で止まっているとしたら、非常にもったいない! なぜなら、ミトコンドリアこそが、「若さ(アンチエイジング)」と「スタミナ(持久力)」の鍵を握る、生命の発電所だからです。

そして、このミトコンドリアを、「短時間で」「リスクなく」劇的に増やすことができる最強のメソッド。それがBFRトレーニングなのです。

今回は、難しい生理学の話を、私がいつものように噛み砕いて「翻訳」します。 これを読めば、あなたはクライアントに対して、「なぜBFRで若返るのか?」を、細胞レベルの根拠を持って説明できるようになります。 トレーナーとしての「知の武器」を手に入れましょう。


【第11回】 アンチエイジングとスタミナ

タイトル:細胞レベルで若返れ!「ミトコンドリア」を増殖させるBFRの低酸素マジック

そもそも「ミトコンドリア」って何者?

まず、基本のキから始めましょう。 私たちの身体は、約37兆個の細胞でできています。その細胞の一つひとつの中に、ちょこんと居候している小さな器官。それが「ミトコンドリア」です。

ミトコンドリアの役割を一言で言うなら、「エネルギー発電所」です。

私たちが身体を動かしたり、考えたり、内臓を動かしたりするには、エネルギーが必要です。 そのエネルギーの正体は、「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質です。車で言えばガソリン、スマホで言えばバッテリー残量のようなものですね。

私たちが食事で摂った糖質や脂質は、そのままでは使えません。 このミトコンドリアという工場に運び込まれ、酸素を使って燃やされることで、初めて「ATP」という使えるエネルギーに変換されます。

つまり、ミトコンドリアが元気なら、身体はエネルギー満タンでバリバリ動ける。 逆に、ミトコンドリアが弱っていたり少なかったりすると、すぐにガス欠(疲れやすい)になる。 そういうことなんです。

ランニングを続けると楽になる理由

皆さんも経験があると思います。 久しぶりにランニングをすると、すぐに息が上がって「もう無理!」となりますよね。 でも、我慢して続けていると、1ヶ月後には同じ距離を走っても平気になっている。

これは、心臓が強くなったからだけではありません。 最大の理由は、「身体の中でミトコンドリアの数が増えたから」なんです。

身体は賢いので、「ご主人様が最近よく走るから、エネルギーがたくさん必要だ。発電所を増設しなきゃ!」と判断し、ミトコンドリアを増やします。 発電所が増えれば、酸素を効率よく使ってATPを大量生産できるので、息切れしにくくなる。これが「体力がつく」という現象の正体です。

忍び寄る恐怖……「質の低下」と「老化の悪循環」

しかし、ここで残酷な現実をお話ししなければなりません。 この頼もしいミトコンドリア、残念ながら年齢とともに減っていきます。

それだけではありません。数だけでなく、「質」も悪くなるのです。 若い頃のミトコンドリアは、最新鋭のハイブリッドエンジンのように、クリーンで効率よくエネルギーを作ります。 しかし、加齢とともに、古びた中古エンジンのようになっていく。 燃費が悪くなり、エネルギーをうまく作れないばかりか、排気ガス(活性酸素)を撒き散らすようになります。

本来、元気なミトコンドリアは、エネルギーを作るだけでなく、 「老化を食い止める」 「がん細胞ができるのを防ぐ」 「傷ついた遺伝子を修復する」 といった、身体の守り神のような働きもしています。

しかし、質と量が低下すると、この守る力が失われます。 するとどうなるか? 老化が進み、病気になりやすくなり、さらにミトコンドリアが減る……という「負のスパイラル(悪循環)」に陥ります。 これが、私たちが「老いる」という現象の、細胞レベルでの真実です。

運動は「諸刃の剣」? 活性酸素のジレンマ

「じゃあ、運動してミトコンドリアを増やせばいいんでしょ?」 その通りです。運動はミトコンドリアを増やす王道です。

しかし、ここにも落とし穴があります。 ミトコンドリアをしっかり増やすほどの有酸素運動(長距離ランニングなど)をハードに行うと、どうしても呼吸量が増え、体内で「活性酸素」が大量に発生してしまいます。

活性酸素は、身体を酸化させる(錆びさせる)毒素です。 健康のために走っているのに、走りすぎて身体が錆びてしまい、かえって老化を早めてしまう……。 これを「運動パラドックス」なんて呼びますが、特に中高年の方にとって、ハードな持久系トレーニングはリスクと隣り合わせなのです。

「ミトコンドリアは増やしたい。でも、身体を錆びさせたくない」 この矛盾を解決する夢のような方法はないのか?

あるんです。 それが、BFRトレーニングです。

救世主BFR! 「PGC-1α」という司令官を呼び覚ませ

なぜBFRがミトコンドリアに効くのか。 ここには、非常に面白いメカニズムが隠されています。

BFRトレーニングを行うと、筋肉内である物質が爆発的に増えることが分かっています。 その物質の名は、「PGC-1α(ピージーシーワンアルファ)」

名前を覚える必要はありません。「ミトコンドリア増設工事の現場監督」だと思ってください(笑)。 このPGC-1αは、遺伝子に働きかけ、「おい!発電所が足りないぞ!今すぐ新しいミトコンドリアを作れ!」と強力な命令を出します。これを「ミトコンドリアの生合成(バイオジェネシス)」と言います。

通常、このPGC-1αを増やすには、かなり強度の高いインターバルトレーニングや、長時間の持久運動が必要です。 しかし、BFRなら「短時間」かつ「低負荷」で、このスイッチを入れることができるのです。

身体を騙す「低酸素(Hypoxia)」のマジック

なぜ、軽い運動なのにスイッチが入るのか? その秘密は、BFR特有の「血流制限」にあります。

ベルトで血流を制限すると、筋肉への酸素の供給が一時的に滞ります。 すると、筋肉の中は「低酸素状態」になります。 まるで、標高の高い山の上でトレーニングしているような環境が、筋肉の中で人工的に作り出されるのです。

酸素を使ってエネルギーを作りたいのに、酸素が来ない。 身体(細胞)はパニックになります。 「やばい! 酸素が足りない! 今あるわずかな酸素を、一滴も無駄にせず有効活用しなきゃ死んでしまう!」

この「生存本能的な危機感」こそが、ミトコンドリアを増やす最強のトリガーになります。 少ない酸素でも効率よくエネルギーを作れるように、身体は急いでミトコンドリアを増やし、性能を上げようとするのです。

「短時間」だからこそ、老化しない

さらに、BFRの素晴らしい点は、「とにかく時間が短い」ということです。 第5回でもお話ししましたが、BFRトレーニングは1回15分〜30分程度で終わります。

長時間ハアハアと息を切らして走り続ける必要がありません。 つまり、「活性酸素の発生を最小限に抑えられる」のです。

  • ミトコンドリアはしっかり増える(エネルギー&若返り効果)

  • でも、活性酸素による「身体のサビ」は出さない

これ、すごくないですか? まさに「良いとこ取り」のアンチエイジング・メソッド。それがBFRなのです。

知識があるから、選ばれるトレーナーになる

いかがでしたか? 「BFR=腕を太くするトレーニング」 というイメージしかなかった方には、目から鱗の話だったのではないでしょうか。

私たちBFRトレーナープロは、単に筋肉を大きくするだけの屋号ではありません。 細胞レベルでお客様の体を考え、 「疲れにくくなりました!」 「最近、肌の調子がいいんです」 「階段が楽になりました」 という、生活の質(QOL)そのものを向上させる専門家です。

これからの時代、お客様は賢くなっています。 「とりあえず走ってください」しか言えないトレーナーと、 「細胞内のミトコンドリアを活性化させて、疲れにくい体を作りましょう。そのためにBFRを使いましょう」 と提案できるトレーナー。

どちらが信頼され、選ばれるかは明白ですよね。

資格取得講座では、こうした「なぜ効くのか?」という生理学の基礎から、それをどう現場で活かすかまで、私、澤木が徹底的に指導します。 難しい言葉を並べるのではなく、今日のように「伝わる言葉」で説明できるスキルも身につきます。

ミトコンドリアという小さな相棒を味方につけて、お客様の人生を活力あるものに変えていく。 そんなやりがいのある仕事を、一緒に始めませんか?

次回はいよいよ最終回。 これまでの総まとめとして、BFRトレーナープロになるための具体的なステップと、資格取得後の輝かしいキャリアパスについてお話しします。


【参考文献】 本コラムの科学的根拠となった主な論文は以下の通りです。

  • (※1) Christiansen D, et al. Acute and chronic effect of sprint interval training combined with post-exercise blood flow restriction in trained individuals. Exp Physiol. 2015 Sep 22. doi: 10.1113/EP085293

  • (トレーニングされた個人における、運動後の血流制限を組み合わせたスプリントインターバルトレーニングの急性および慢性の効果。BFRがPGC-1αの発現を高め、ミトコンドリアの適応を促進することを示唆する研究)

  • (参考) Burgomaster KA, et al. Similar metabolic adaptations during exercise after low volume sprint interval and traditional endurance training in humans. J Physiol. 2008.

  • (短時間の高強度トレーニングが、長時間の持久力トレーニングと同様にミトコンドリアの代謝適応を引き起こすことを示した基礎的研究)

  • (参考) Lark DS, et al. Blood flow restriction during exercise: a novel method to induce mitochondrial biogenesis? Med Hypotheses. 2012.

  • (運動中の血流制限がミトコンドリア生合成を誘導する新たな方法である可能性についての医学的仮説と検証)

サワキジム
https://sg-personal.com/

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