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「アスリート指導」と「怪我(リハビリ)」

「アスリート指導」と「怪我(リハビリ)」

「アスリート指導」と「怪我(リハビリ)」

澤木一貴です。

前回は、クライアントを飽きさせない「継続率」の話をしました。 「キツイけど楽しい」 この感覚を作れるトレーナーは、一般のフィットネス層から長く愛されます。

さて、今回のテーマは少し空気が変わります。 「楽しさ」よりも、「結果」と「スピード」がシビアに求められる世界。 そう、「アスリート指導」「怪我(リハビリ)」**の現場です。

スポーツに怪我はつきものです。しかし、選手にとって怪我による長期離脱は、レギュラー争いからの脱落、あるいは選手生命の危機を意味します。 「怪我をしたから、治るまで安静にしていよう」 これは一昔前の常識です。現代のスポーツ科学において、完全な安静は「退化」と同義です。

「怪我をしたアスリートを、いかに休ませず、機能を維持・向上させるか」

ここで、BFR(血流制限)トレーニングが決定的な役割を果たします。 もしあなたが、スポーツトレーナーとしてチームに帯同したい、あるいはアスリートのサポートをしたいと考えているなら、BFRのスキルは「あったらいいな」ではなく、「持っていなければ話にならない必須スキル」になりつつあります。

今回は、治療家やドクターとも連携できる「BFRリハビリ」の威力と、意外と知られていない「予防・リカバリー」への活用法についてお話しします。


【第9回】 アスリート指導

タイトル:怪我をしたアスリートを休ませない。競技復帰を早める「BFRリハビリ」という選択肢

アスリートにとって「安静」は恐怖である

まず、アスリートの心理を理解しましょう。 彼らは、練習を休むことに強烈な恐怖を感じています。 「休んでいる間にライバルに抜かれる」「筋肉が落ちてしまう」

実際に、筋肉の萎縮(減少)スピードは凄まじいものです。ギプスなどで固定して全く動かさない場合、筋力は1日で数パーセント低下するとも言われます。 1ヶ月も寝たきりになれば、元のパフォーマンスに戻すのに数ヶ月、あるいは半年かかります。

しかし、患部(例えば膝の靭帯や、足首の捻挫、骨折など)には、物理的な負荷をかけられません。 「筋肉は落としたくない。でも、重いものは持てない」 このジレンマに、これまでのトレーナーは無力でした。患部外のトレーニングでお茶を濁すしかなかった。

そこに現れた救世主が、BFRトレーニングです。

なぜBFRが「リハビリの王様」なのか?

BFRの最大の特長を思い出してください。 「低負荷(自重やチューブ程度)」で「高負荷と同様の筋肥大・筋力増強効果」が得られることでしたね。

これがリハビリにおいて何を意味するか。 「関節や靭帯、腱に物理的なダメージを与えずに、筋肉だけを強烈に鍛えられる」ということです。

例えば、膝の前十字靭帯(ACL)を損傷した選手がいるとします。 バーベルスクワットなんて論外です。 しかし、BFRベルトを巻いて、椅子に座った状態で、ただ膝を伸ばす(レッグエクステンション)動作や、足首を動かす動作を行う。 これなら、膝関節への縦方向の圧縮ストレスや、剪断力(ズレる力)はほとんどかかりません。

それなのに、血流制限の効果によって、大腿四頭筋はパンパンに張り、脳は「激しい運動をした」と錯覚して成長ホルモンを大量に分泌します。 結果、怪我をしている期間中であっても、筋量の低下を防ぎ、場合によっては筋力を向上させることさえ可能になります。

「怪我が治った時には、筋肉も落ちてガリガリになっていた」 ではなく、 「怪我が治った時には、フィジカルベースはむしろ強くなっていた」 という奇跡のような状況を作れるのが、BFRリハビリなのです。

治療家・ドクターとの「共通言語」を持つ

私はよく、整骨院の先生や、整形外科医の先生と連携して指導を行います。 医療従事者の方々は、非常に慎重です。根拠のないトレーニングを嫌います。 しかし、BFR(特にルーツである加圧を含め)は、日本発祥でありながら世界中で研究され、多くのリハビリテーションに関する論文が存在します。

あなたが「BFRトレーナープロ」の資格を持ち、 「患部へのメカニカルストレス(物理的負荷)はかけません。ケミカルストレス(代謝的負荷)のみを与えて、早期の筋萎縮抑制を狙います」 と、専門用語を用いて論理的に説明できれば、ドクターも「それなら任せよう」と信頼してくれます。

逆に、この知識なしに「とりあえず筋トレさせます」と言えば、「余計なことをするな!」と怒鳴られて終わりです。 BFRは、トレーナーと医療従事者をつなぐ「共通言語」になるのです。

意外な盲点!「リカバリー(疲労回復)」への活用

BFR=筋トレ、と思っている方が多いですが、スポーツ現場ではもう一つの重要な使い方があります。 それが「リカバリー(疲労回復)」です。

試合の翌日、あるいは激しい練習の後。体は疲労物質で満たされ、筋肉は硬直し、むくんでいます。 ここでBFRを行うのです。 ただし、追い込むためではありません。

軽めの圧でベルトを巻き、軽い有酸素運動やストレッチを行う。 そして、ベルトを除圧(解放)する。 すると、堰き止められていた血液が一気に全身を巡ります(再灌流)。 この強力な血流のウォッシュアウト効果によって、筋肉内に滞留していた乳酸や老廃物が洗い流され、酸素と栄養が隅々まで届きます。

トップアスリートの中には、試合直後や遠征の移動後に、コンディショニングとしてBFRを取り入れている選手が多くいます。 「ただ休む」よりも「BFRで血流を回す」方が、翌日の体の軽さが全く違うからです。 これを「アクティブリカバリー(積極的休養)の強化版」として提案できるのも、BFRトレーナーの強みです。

怪我をしない体を作る「予防」としてのBFR

そしてもう一つ、忘れてはならないのが「予防」です。 怪我をしてからBFRを使うのはもちろん有効ですが、そもそも怪我をしない体を作ることこそ、トレーナーの本来の役割です。

多くの怪我は、「オーバーユース(使いすぎ)」や「関節への過度な負荷」から生まれます。 毎日重いバーベルを担いでいれば、いつか関節が悲鳴を上げます。

そこで、週のトレーニングサイクルのいくつかをBFRに置き換えるのです。 「今日は関節を休める日。でも筋肉には刺激を入れたいからBFRにしよう」 という使い分け(ピリオダイゼーション)です。

また、BFRによって分泌される大量の成長ホルモンは、筋肉だけでなく、コラーゲン組織(腱や靭帯、骨、皮膚)の合成も高めることが示唆されています。 つまり、BFRを継続することで、筋肉だけでなく、「怪我に強い頑丈な結合組織」を作ることができるのです。

これは、選手寿命を延ばすための大きな投資になります。

澤木流:メンタルサポートとしてのBFR

最後に、私の経験から一つ。 怪我をしたアスリートにとって、最も辛いのは「何もできない自分」と向き合う時間です。 「自分はチームの役に立っていない」「ただ寝ているだけだ」 このメンタルの落ち込みが、復帰を遅らせます。

そんな時、BFRでトレーニングをするとどうなるか。 汗をかき、筋肉がパンプアップし、「キツイ!」と顔をしかめる。 たとえ足が動かせなくても、腕だけでそれを味わうことはできます。

「俺は今、トレーニングをしている!」 「体の中で成長ホルモンが出て、治癒を早めている!」

この「攻めの姿勢」を取り戻せることが、実はBFRリハビリの最大の効果かもしれません。 メンタルが前向きになれば、自然治癒力も高まります。 トレーナーの仕事は、メニューを組むことだけでなく、選手の「心」に火を灯し続けることです。

チームに「不可欠な存在」になるために

スポーツトレーナーの世界は狭く、競争が激しいです。 テーピングが巻ける、マッサージができる。それは当たり前です。 そこにプラスして、 「怪我人のリハビリを加速させ、試合後のリカバリーも担当でき、予防プログラムも組める」 というBFRのスキルがあれば、あなたはチームにとって「代えの利かない存在」になります。

プロチームだけでなく、部活動やクラブチームの指導でも同じです。 子供たちの怪我を防ぎ、パフォーマンスを最大化する。 保護者や監督から「先生のおかげで怪我が減りました」と感謝される。

BFRトレーナープロの資格は、スポーツを愛する全ての人を支えるための、強力なライセンスです。

サワキジム
https://sg-personal.com/


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通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
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