コラム

BFRはバイブレーションマシンの効果を増大する


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
筆者の年代以上のトレーニング経験者でしたら、ジムに「ブルブルマシン」が置いてあったのを覚えているかもしれません。腰回りに巻き付けてブルブル振動させ、おそらくは腹部の脂肪を取るという目的で設置されていたものです。効果のほどは不明ですが。

時は下って21世紀。「パワープレート」というマシンが出てきました。これはプレート上で3Dの細かいバイブレーションが起こり、その上に載ってエクササイズすることで効果をもたらすというものです。
エクササイズそのものにおける効果は微妙なところもあり、ヒトを使った研究では、まだそれほど芳しい結果が出ていません。13本の論文をまとめたシステマティックレビューでは、一般的なエクササイズのみ行った場合と比較して、筋パフォーマンス、バランス、モビリティなどにおいて大きな違いは出ていないようです。ただし骨盤や脛骨における骨密度強化は認められています。(※1, ※2)

ただしバイブレーション自体には「リリース効果」があり、フォームローラーなどと併用することによってヒアルロン酸の流動性を高めるなどの作用が期待できます。(※3, ※4)

実はこのバイブレーションマシン、実はBFRとの相性が良いのです。24名の若い男性を用いた研究において、バイブレーションを加えてエクササイズを行う群とBFRのみ群、その両方を行う群とに分けました。その結果、バイブレーションとBFR両方を行った群において、筋衛星細胞の分化と活性化が顕著に起こったのです。(※5)

そして健康な成人男性8名を対象に「バイブレーションのみ」と「バイブレーション+BFR」に分けて筋電図やホルモン反応を調べた研究が最近行われました。
膝の角度を100°に保ち、そのまま1分間キープ。そして立ち上がって1分間のインターバル。これを10セットです。なおパワープレートにはレバーが付属しており、1分間しゃがんでいるときは両手をそのレバーに置いています。
BFRの圧力は140mmHg、バイブレーションは26Hzでした。

その結果、大腿四頭筋と大腿二頭筋において筋電図の活動をみると、「バイブレーション+BFR群」のほうが顕著に高く筋活動が起こっていました。
また乳酸の発生も「バイブレーション+BFR群」のほうが多くなっていました。そして特に成長ホルモンの分泌量が顕著に多くなっていました。テストステロンもわずかな差ながら、多く分泌されています。(※6)

今後、BFRとバイブレーションマシンとの併用による研究が進めば、さらに効果的なプロトコルが開発されてくることでしょう。

※1:
The effects of whole-body vibration training in aging adults: a systematic review.
J Geriatr Phys Ther. 2009;32(3):134-45.

※2:
The effect of whole body vibration exposure on balance and functional mobility in older adults: a systematic review and meta-analysis.
Maturitas. 2015 Apr;80(4):342-58. doi: 10.1016/j.maturitas.2014.12.020. Epub 2015 Jan 12.

※3:
Harmonic Healing: A Guide to Facilitated Oscillatory Release and Other Rhythmic Myofascial Techniques
Zachary Comeaux

※4:
Mathematical analysis of the flow of hyaluronic acid around fascia during manual therapy motions.
J Am Osteopath Assoc. 2013 Aug;113(8):600-10. doi: 10.7556/jaoa.2013.021.

※5:
One bout of vibration exercise with vascular occlusion activates satellite cells.
Exp Physiol. 2015 Dec 11. doi: 10.1113/EP085330

※6:
Acute effects of whole body vibration combined with blood restriction on electromyography amplitude and hormonal responses.
Biol Sport. 2018 Sep;35(3):301-307. doi: 10.5114/biolsport.2018.77830. Epub 2018 Aug 31.

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