BFR資格取得者ならば、Intermittent BFRの安全性と効果については既にご存知のことでしょう。資格取得講座で実技を行っていただき、「締めっぱなし」と比較して痛みが少なく、それでいて十分な刺激が筋肉に与えられたことを実感できたはずです。講座では簡単に解説しただけですので、研究による具体例をここで紹介していきましょう。健康な男女11名を対象に30%1RMで160mmHgによる血流制限を行いました。エクササイズはレッグエクステンション。血流制限を行わない群とIntermittent群、締めっぱなし群の3群に分けました。トータル4セットで、各セットともレップスはできるだけ行いました。その結果、Intermittent群がもっとも筋力向上効果が高かったのです。そして膝伸展筋力だけでなく、膝屈曲能力も大幅に伸びていました。(※1)Intermittent群のレップスは平均でだいたい「23→12→10→8」で、締めっぱなし群も同等です。また締めっぱなし群に比べてIntermittent群は痛みがあまり強くなく、不快感が少なかったようです。また160mmHgで血流制限を行い、アームカールの筋電図を測定した研究もあります。その結果、締めっぱなし群とIntermittent群とで筋活動に違いは見られませんでした。(※2)安全性はどうでしょうか。10名のトレーニング経験者を対象に同じように3群に分け、20%1RMでラットプルしたところ、ダブルプロダクト(心拍数と収縮時血圧を掛けたもの)と乳酸は締めっぱなし群のほうが多く発生しましたが、主観的運動強度は同等でした。(※3)また10名のトレーニング経験者を対象に「20%1RMで締めっぱなし」と「20%1RMでIntermittent」、「普通にトレーニング」した場合で調べたところ、普通にトレーニングしたときは筋破壊や酸化ストレスの指標が急増しましたが、BFR群はどちらの群もそれほど筋破壊や酸化ストレスはみられませんでした。(※4)短時間で終えることにより、締めっぱなしでも安全性は確保されると思われますが、高齢者や栄養状態の悪いクライアントを指導する場合は、Intermittentで行うことを推奨します。途中でベルトを緩めるのは面倒ですが、特にはじめての方はBFRによる痛みを不快に感じることが多いため、まずはIntermittentで慣らすようにするといいでしょう。※1:Perceptual effects and efficacy of intermittent or continuous blood flow restriction resistance training.Clin Physiol Funct Imaging. 2014 Sep;34(5):356-63. doi: 10.1111/cpf.12100. Epub 2013 Nov 7.※2:Influence of continuous or intermittent blood flow restriction on muscle activation during low-intensity multiple sets of resistance exercise.Acta Physiol Hung. 2013 Dec;100(4):419-26. doi: 10.1556/APhysiol.100.2013.4.6.※3:Acute Effects of Resistance Exercise With Continuous and Intermittent Blood Flow Restriction on Hemodynamic Measurements and Perceived Exertion.Percept Mot Skills. 2016 Nov 11. pii: 0031512516677900.※4:Does a resistance exercise session with continuous or intermittent blood flow restriction promote muscle damage and increase oxidative stress?J Sports Sci. 2018 Jan;36(1):104-110. doi: 10.1080/02640414.2017.1283430. Epub 2017 Jan 31