コラム

膝蓋大腿疼痛症候群(PFPS)は膝に明らかな病変がないのにもかかわらず、膝前方あるいは膝蓋骨後面に痛みを感じるものです。
この疾患の治療として、股関節と膝関節の強化運動が実施されていますが、一般的に高負荷(70%1RM)が使用されています。しかしこれは膝蓋大腿関節のストレスを増加させる可能性があります。
そこで、軽い負荷(2030%1RM)でBFRを併用すれば少ないストレスで治療できる可能性があるのではないかということで、60名の患者(1840歳)を対象に研究が行われました。(※)
BFR群は30%1RMで行い、limb occlusion pressure(LOP)の70%の圧力で締めました。対照群は70%1RMで行いました。どちらも週3回、4週間に渡ってトレーニングを行いました。
その結果、両群とも効果を示しましたが、主要アウトカムにおいて差は認められませんでした。
しかし2カ月のフォローアップにおいてBFR群のほうが膝伸筋の等尺性筋力(ニーエクステンション)が強くなっており、また治療後における最大の痛みスコアとしてもBFR群のほうが良い成績を収めていました。
PFPSは整形外科的な膝の主訴においてもっとも多い疾患なのですが、日本においては保存療法が第一選択となっており、ようはなにもしないということです。なにもしないということは筋力が低下し、膝蓋骨の位置・機能異常も起こりやすくなり、かえって悪くなる可能性もあります。
しかしBFRによってストレスなくリハビリを行うことができるのならば、PFPSに悩む多くの患者を救うことができるはずです。今後の研究におけるさらなる展開が期待されます。
※:
Comparing hip and knee focused exercises versus hip and knee focused exercises with the use of blood flow restriction training in adults with patellofemoral pain: a randomized controlled trial
Eur J Phys Rehabil Med. 2022 Jan 5. doi: 10.23736/S1973-9087.22.06691-6.
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