筋肥大や筋力向上において有効とされるホルモンの代表が、テストステロンと成長ホルモン、そしてインスリンです。BFRトレーニングで成長ホルモンが多く分泌されることは知られていますが、テストステロンとはどうでしょうか。25名の若い男性を対象に、非BFRと動脈圧の40%でのBFR、動脈圧の70%でのBFRを72時間空けてそれぞれ行い、血中乳酸濃度や成長ホルモン、テストステロン、IGF-1レベルを測定した研究があります。(※1)なお動脈圧の40%は平均で78.8mmHg、70%は平均で137.8mmHgでした。使用重量は30%1RM、レッグエクステンション&カールを6セット行い、各セットは15レップス、ポジティブとネガティブどちらも3秒かけて行いました。インターバルは1分です。その結果、70%圧でのBFR群で成長ホルモンとテストステロン、そしてIGF-1の顕著なレベルアップがみられました。IGF-1はインスリン様成長因子のことで、インスリンに構造が似ており、これも名前の通り「成長」を引き起こすホルモン様物質です。この図の通り、70%圧だとIGF-1が顕著に高まり、テストステロンは40%圧でも十分に高まっていることがわかります。なお、もちろん成長ホルモンも高まっており、平均78.8mmHgでも十分であることが示されています。被験者が若い男性であることから、強めの圧に反応しやすいということも考えられます。今回は若い被験者でしたが、高齢男性ではどうなのかも興味の持たれるところです。今後の研究展開に期待しましょう。