コラム

疲れをとる栄養は? Part 17 ─ ウォーター 水


  • サプリメント
  • 筆者:山本 義徳
かなり前の話ですが、「スーパーモデルは水を大量に飲む」というニュースが出たことがあり、とたんに美容のために多くの水を飲む女性が増えるようになりました。当然、カウンターとして「水の飲み過ぎは良くない」という情報も出てくるようになり、今では意識して水を多く飲むブームは終息したように思われます。

しかし実際問題として水を飲み過ぎたからといって、大きな問題が起こるようなことはありません。トライアスロンなどで大量の汗をかいた場合はミネラルの流出が起こるため、ミネラルの含まれない水を多飲することで「水中毒」を引き起こす可能性がありますが、普通に生活をしていて多めに水を飲むように意識するだけでしたら、問題は全くないと言っていいでしょう。

体内における多くの化学反応は「加水分解反応」です。そのため水をしっかり飲み、脱水させないことによって代謝がスムーズになり、疲労回復にもつながってきます。

一般的に体重の1%の水が失われるとパフォーマンスの低下が起こり、喉の渇きを感じるのは2%が失われた時点だと言われます。そして3%が失われるとパフォーマンスの低下と集中力の低下が自覚されるようになります。
また脱水によりACTHやコルチゾルなどの分泌が亢進したり、酸化ストレスが増加したりもします。

脂肪を分解したり、エネルギー化したりするのにも、水は必要となります。ある報告では細胞内が水で満たされることによって、アミノ酸の酸化(タンパク質の分解)が抑えられ、体脂肪の分解が増加したという結果が出ています。(※1)

なお他の研究では、低浸透圧状態(細胞内が水で満たされている状態)において脂肪分解は増加するが、インスリンやグルカゴン、ノルアドレナリンに変化はなかったとのこと。つまりホルモンは関与していないようです。(※2)
あるレビュー(※3)によれば、水分摂取によって細胞のボリュームが増大することによって代謝が促進されるのではないかとのことです。

大事なのは、喉の渇きを感じる前に水を飲むことです。渇きを感じたら、その時点ではすでに脱水が進行しています。意識的に水を飲み、代謝をスムーズに行わせるようにしていきましょう。


※1:
Effects of changes in hydration on protein, glucose and lipid metabolism in man: impact on health
European Journal of Clinical Nutrition (2003) 57, Suppl 2, S69–S74. doi:10.1038/sj.ejcn.1601904

※2:
Effects of hypoosmolality on whole-body lipolysis in man.
Metabolism. 1999 Apr;48(4):472-6.

※3:
Increased Hydration Can Be Associated with Weight Loss.
Front Nutr. 2016 Jun 10;3:18. doi: 10.3389/fnut.2016.00018. eCollection 2016

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