コラム
2023/07/07

プロバイオティクスには様々な種類があるが、特にお勧めしたいのが「ラクトバチルス・ロイテリ菌」である。まだ動物実験での段階ではあるが、数多くの作用が認められており、ヒトでの研究も進められている。さてこの菌には、どのような効果が期待できるのか。
まずは炎症を抑える作用だ。ロイテリ菌はLPS(リポ多糖)によるIL-8やインターフェロンγを抑制し、小腸の炎症を抑える。(※1)
またTNF-αを抑制し、雄のマウスの骨密度を高くすることが分かっている。(※2)ただし炎症のある場合は雌のマウスの骨密度も改善するようだ。(※3)
さらに加齢によるテストステロンの低下を抑えることも明らかになった。(※4)
そしてジャンクフードを食べさせたマウスは肥満になったが、ロイテリ菌を摂取したマウスは肥満にならなかった。なお通常食を摂取したマウスの体重は減少した。この研究でもロイテリ菌を摂取したマウスにおいて抗炎症作用のあるIL-10が増え、炎症性サイトカインであるIL-6やIL-17が減少している。(※5)
他にも肥満ラットのインスリン抵抗性を改善したり(※6)、6歳~15歳のヒトの子供101名を対象にした研究では、ロイテリ菌摂取により機能性腹痛症候群が明らかに改善するという結果が出ている。(※7)
また耐糖能異常のヒト21名を対象にした研究では、ロイテリ菌摂取によりGLP-1やGLP-2などインクレチンの分泌が増加し、インスリンやCペプチドの分泌が改善している。(※8)
他にもロイテリ菌にはピロリ菌の殺菌作用や、中性脂肪低下作用、歯周病の予防作用などが認められている。
さて、プロバイオティクスを摂取しても、なかなか効果が出ないという人もいる。それは多くの場合、摂取量が足りないのである。悪玉菌が大量にあるところに、少々の善玉菌を投入しても、さほど違いは現れない。
一気に善玉菌を大量投下し(ラベルの倍以上)、悪玉菌とのバランスを改善することが重要なのだ。それを一週間ほど継続し、その後は少量の摂取を継続するだけで良い腸内環境をキープすることができるだろう。
※1:
Human-derived probiotic Lactobacillus reuteri strains differentially reduce intestinal inflammation.
Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2010 Nov;299(5):G1087-96. doi: 10.1152/ajpgi.00124.2010. Epub 2010 Aug 26.
※2:
Probiotic use decreases intestinal inflammation and increases bone density in healthy male but not female mice.
J Cell Physiol. 2013 Aug;228(8):1793-8. doi: 10.1002/jcp.24340.
※3:
Lactobacillus reuteri 6475 Increases Bone Density in Intact Females Only under an Inflammatory Setting.
PLoS One. 2016 Apr 8;11(4):e0153180. doi: 10.1371/journal.pone.0153180. eCollection 2016.
※4:
Probiotic microbes sustain youthful serum testosterone levels and testicular size in aging mice.
PLoS One. 2014 Jan 2;9(1):e84877. doi: 10.1371/journal.pone.0084877. eCollection 2014.
※5:
Microbial reprogramming inhibits Western diet-associated obesity.
PLoS One. 2013 Jul 10;8(7):e68596. doi: 10.1371/journal.pone.0068596. Print 2013.
※6:
Heat-killed and live Lactobacillus reuteri GMNL-263 exhibit similar effects on improving metabolic functions in high-fat diet-induced obese rats.
Food Funct. 2016 May 18;7(5):2374-88. doi: 10.1039/c5fo01396h. Epub 2016 May 10.
※7:
Lactobacillus reuteri DSM 17938 for the Management of Functional Abdominal Pain in Childhood: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.
J Pediatr. 2016 May 4. pii: S0022-3476(16)30025-7. doi: 10.1016/j.jpeds.2016.04.003. [Epub ahead of print]
※8:
Intake of Lactobacillus reuteri improves incretin and insulin secretion in glucose-tolerant humans: a proof of concept.
Diabetes Care. 2015 Oct;38(10):1827-34. doi: 10.2337/dc14-2690. Epub 2015 Jun 17.
食事・サプリメント

年末年始に太らない食べる順番だけで血糖値は3割減?食後の眠気も撃退「最強の食事法」
はじめに:なぜ「食べる順番」だけで痩せるのか?年末年始、忘年会や新年会、実家への帰省など、どうしても食事の量が増えがちなシーズンがやってきました。「美味しいものは食べたい、でも太りたくない」……これは...
齊木 英人

BFRトレーニングとシリカの相性:女性の健康と美容をサポートする新たな可能性
はじめに近年、健康志向の高まりとともに、効率よく筋力をつけながら美容と健康を維持する方法が注目されています。その中で、*低負荷でも筋力アップが可能な「BFR(血流制限)トレーニング」と、骨・関節の健康...
久保 綾乃

BFRトレーニングとアルギニンの効果をやさしく解説
BFRトレーニング(血流制限トレーニング)は、軽い負荷でも筋肉を大きくする効果があるトレーニング方法として注目されています。このトレーニングを行うと、体内で「一酸化窒素(NO)」や「ヒートショックプロ...
齊木 英人

あんパン。今やスポーツ選手の補食?
スポーツシーンにいろいろな食べ物が登場する。トップアスリートには有名な食品メーカーが寄り添い、栄養サポートをしているし、子供やお年寄りの栄養指導は行政が指導し、スポーツジムではダイエットや体力づくり、...
齊木 英人

ラクトバチルス・ロイテリ菌の効果とは
プロバイオティクスには様々な種類があるが、特にお勧めしたいのが「ラクトバチルス・ロイテリ菌」である。まだ動物実験での段階ではあるが、数多くの作用が認められており、ヒトでの研究も進められている。さてこの...
山本 義徳

ビタミンDの多彩な効果とは
ビタミンは主に「補酵素」として働くのに対し、ビタミンDは少々異質である。すなわち、体内で生成可能であり、レセプターが存在し、ホルモン様作用を起こすのである。なおビタミン摂取において必ず議論となるのが、...
山本 義徳
通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
© BFR Trainers Institute 2025