コラム

「なんだか最近疲れやすい」「昔より太りやすくなった」「若々しさを保ちたい」——そんな身体の悩みのカギを握っているのが、私たちの細胞の中にいる「ミトコンドリア」です。
一見難しそうな名前ですが、その正体は私たちが生きていくためのパワーを生み出す「小さなエネルギー工場(発電所)」。
今回は、このミトコンドリアとは一体何なのか、どれくらいの数が体に存在するのか、そして明日からできる「ミトコンドリアを増やして元気になる方法」まで、どこよりも優しく解説します!
私たちの身体は約37兆個もの「細胞」が集まってできています。その細胞ひとつひとつの部屋の中に住んでいる小さな住人が「ミトコンドリア」です。
ミトコンドリアの役割は、たったひとつ。
「あなたが食べたごはん(栄養)」と「吸い込んだ呼吸(酸素)」を混ぜ合わせて、身体を動かすための「元気の源」を作ることです。
科学の世界では、ミトコンドリアが作る元気の源を「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼びます。 難しく聞こえますが、これは「身体の中で使えるエネルギーの缶詰(またはコイン)」だと思ってください。
心臓がドクドク動くとき
ごはんを消化するとき
走ったり歩いたりするとき
脳でいろいろ考えたり、肌が新しく生まれ変わるとき
これらすべての活動で、ミトコンドリアが作った「ATP(缶詰)」が消費されています。ミトコンドリアが元気なら元気な缶詰がどんどん作られ、私たちは疲れにくく、若々しくいられるのです。
ミトコンドリアは目に見えないほど小さいですが、身体の中に驚くほどの数が存在します。
体全体の数:なんと約2京(けい)〜3京個!(※1京は1万の1億倍)
1つの細胞の中にある数:平均で数百〜数千個
重さの割合:なんと「体重の約10%」!
もし体重が60kgの人なら、そのうちの約6kg分はミトコンドリアの重さなのです。身体の中にどれほどぎっしり詰まっているかが分かりますね。
特に、エネルギーを大量に使う場所(「心臓」「脳」「筋肉」「レバー(肝臓)」など)の細胞には、1つの細胞に数百〜数千個ものミトコンドリアがギッシリ集中しています。
実は、ミトコンドリアの数や元気さは、全員が同じではありません。
ミトコンドリアの数と発電スピードは、20代をピークに年々低下していきます。
20代:エネルギー生産効率が最も高い「黄金期」
70代:20代の頃に比べて、数と働きが約40%〜50%も減少してしまうことが研究で分かっています。
年を取ると「疲れが抜けにくい」「太りやすくなった」と感じるのは、ミトコンドリアという工場が減り、発電スピードが落ちてしまうからなのです。
さらに、古くなったミトコンドリアは発電するときに「排気ガス(悪玉の活性酸素)」を出しやすくなり、これが身体の「サビ(老化)」の原因にもなってしまいます。
あまり知られていませんが、ミトコンドリアにはとてもロマンチックな命の事実があります。
命の継承(母系遺伝):赤ちゃんが生まれるとき、ミトコンドリアは100%お母さんの卵子から引き継がれます。(お父さんの精子にもミトコンドリアはありますが、受精するときに消滅します)
女性ホルモンの守り:女性ホルモン(エストロゲン)には、ミトコンドリアを酸化(サビ)から守る働きがあります。そのため、女性は閉経を迎えるまではミトコンドリアが傷つきにくいという特長があります。
男性の特長:男性はもともと筋肉量が多いため、身体全体にあるミトコンドリアの「総数」は女性より多い傾向にあります。
「年を取ると減っちゃうの…?」と落ち込む必要はありません!
ミトコンドリアの最大の魅力は、自分の生活習慣次第で何才からでも「増やして元気にできる」という点です。
ミトコンドリアを増やすコツは、身体に「あれ?エネルギーが足りないかも!ピンチだ!」と優しい勘違いをさせること。身体がピンチを感じると、脳が「工場(ミトコンドリア)を増設せよ!」と緊急増量スイッチを入れるのです。
具体的にミトコンドリアを増やす方法を見ていきましょう。
運動はミトコンドリアを増やす一番の近道です。ポイントは「少し息が弾む運動」と「姿勢」です。
のんびり歩くだけでは、身体は「今のミトコンドリアの数で足りているな」と思って増えません。
やり方:「3分間ゆっくり歩く」と「3分間早歩き(ちょっとハァハァするくらい)」を交互に繰り返す。
効果:エネルギーが一時的に不足することで、ミトコンドリアを増やすスイッチが入ります。
ミトコンドリアは、筋肉の中でも特に姿勢を保つための「赤筋(遅筋:スタミナのある筋肉)」にたくさん存在します。
背筋をピシッと伸ばして過ごす
椅子から立ち上がるときにゆっくり立ち上がる(浅いスクワット)
これだけで、太ももや背中のミトコンドリアが「おっ、働かなきゃ!」と元気になります。
食事では「食べる内容」と「食べ方」の両方が大切です。
発電所であるミトコンドリアがスムーズに働くための「潤滑油」になる食べ物です。
栄養素 | 主な食べ物 | ミトコンドリアへの助け |
コエンザイムQ10 | イワシ、牛肉、ブロッコリー | 発電のエンジンを回す |
α(アルファ)リポ酸 | ほうれん草、トマト、にんじん | 糖分をエネルギーに変える |
L-カルニチン | 赤身の肉(牛肉・羊肉) | 脂肪をミトコンドリアの中に運び込む |
ビタミンB群 | 豚肉、ウナギ、玄米 | 栄養を分解するサポート |
鉄・銅 | レバー、赤身魚、大豆製品 | 発電スピードを早める |
満腹になるまで食べ続けると、ミトコンドリアは「なーんだ、エネルギーは余ってるじゃん」とサボり始め、古くなってサビていきます。
時々「腹八分目」に抑えたり、お腹が「グゥ〜」と鳴る空腹時間を作ってあげると、身体のリサイクルシステム(オートファジー)が働き、古くなったミトコンドリアが掃除され、新品のピカピカなミトコンドリアに生まれ変わります。
運動や食事のほかに、ちょっとした日常生活の工夫でもミトコンドリアは増やせます。
「ちょっと寒い」を体験する
冷水で顔を洗ったり、冬場に少し薄着で外に出てみたりすると、身体は「体温を上げなきゃ!熱を作れ!」と焦ります。熱を作るのはミトコンドリアの得意分野なので、これでミトコンドリアが増加します。
しっかり寝る
ミトコンドリアが発電するときに出たゴミ(サビ)は、私たちが寝ている間にキレイに掃除されます。睡眠不足は工場がゴミ屋敷になるのと同じなので、7時間前後の質の良い睡眠を心がけましょう。
ミトコンドリアは、あなたの身体の中で健気に働き続けている「命の発電所」です。
姿勢を正して、少し早歩きをしてみる
ご飯は「腹八分目」を意識してみる
お肉やお魚、野菜をバランスよく食べる
こんな小さな「優しいピンチ」を身体に与えてあげるだけで、あなたの体内にいる約2京個のミトコンドリアたちは、一斉に新しく生まれ変わり、元気に働き始めます。
ミトコンドリアを可愛がって、一生疲れ知らずの若々しい身体を手に入れましょう!
健康

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BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
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