人の動きを見るフィットネスジムを開業する際、成功の鍵となるのが立地(フィットネスジムを開業する場所)です。それは会員を集めることに大きく関わるからです。どんなに優れた設備やプログラムを用意しても、会員が集められなければフィットネスジムを成功に導くことは難しい。もちろん、多くの人が行き交い情報があふれる場所が集客に有利であることは間違いありません。しかし、それよりも重要なのは、より戦略的なアプローチです。重要になってくるのは、人通りの「量」+「質」です。つまり、ジムのコンセプトに合ったターゲット顧客にどれだけ呼応できるか、実際にどれだけ訪れるかがカギとなります。地域の人口統計や交通量のデータは、公的機関から得られる情報ですが、必ずしも必要な情報が得られるとは限りません。ことさら特定の場所に絞った詳細なデータは見つかりにくく、実際に現地に立ち自らの手で調査することが必要です。インターネットで基本的な情報を収集した後、現地に行き、時間帯や曜日による人の流れの違い、天候の影響、人々の動向や目的地を観察しましょう。手間はかかりますが、事業の成功には不可欠です。また、競合するフィットネスジムの数も重要な要素です。競合がいない場所は「安心してフィットネスジムを開くことができる」と、思われるかもしれませんが、その地域が有望なマーケットから外れる場所であることも考えられる。確かに競合しすぎる場所では、生き残りが難しくなることも考えられますが、同時に相乗効果を生み出す可能性があり、顧客獲得のチャンスが広がります。コバンザメ商法とも呼ばれ、集客力のある商業施設や店舗などの近くで商売を行う方法です。フィットネスジムを成功させるためには、ただ人通りが多い場所を選ぶのではなく、ジムのコンセプトに合った顧客が集まる場所を見極めることが重要です。地道な調査と戦略的な思考が、事業成功への道を開きます。事業計画と資金計画フィットネスジムを開業する際、繁華街のような人通りが多い場所は魅力的ですが、賃料が高いのが一般的です。「人通りの多さ=来店客数の多さ」とは限らず、期待通りの顧客の獲得、さらには収益が得られるとは限りません。店舗の立地選びには、人通りの「量」ではなく「質」を重視し、ジムのコンセプトや事業計画に合った場所を選びましょう。無理をせず、現実的な選択をしたいものです。店舗の広さについても、広さに連れてスタッフ配置やメンテナンス費用に負担がかかります。事業計画の収支予測を狂わせる可能性だって生まれます。一方で狭すぎると顧客体験が低下し、収益率が落ちる恐れがあります。最適な店舗サイズは、事業計画に基づいて慎重に選定しましょう。開業後、経営が順調に進んだ場合、より広い店舗への移転や支店の出店など、事業拡大の選択肢を検討することも可能です。フィットネスジムの成功のはじまりは、適切な立地と店舗サイズの選択から。事業計画に忠実に、現実的な判断を行うことが、長期的な成功への道を開きます。施設や店舗の立地状況から「中心」を見つけよう1時間に約600人が通ると、小規模な店でも運営が可能な程度の賑わいが感じられる。一方で、1時間に2000人が通る場所は、活気ある商店街を思わせる。しかし、1時間にわずか20人しか通らない道では、ほとんど人の気配を感じられず、特に夜間は何らかの不安を覚えることもあるだろう。線路、幹線道路、高速道路や、大きな学校や敷地で商圏が分断されていていると、引き返そうかというような気持ちになるかもしれません。遠回りしたり、通うのが億劫と感じられてしまう場所かもしれません。お客様の気持ちになって自分の足で歩いてみることも大切です。