コラム
2025/05/06

近年、24時間営業の無人ジムは利便性やコスト面で高い評価を受け、急速に店舗数を拡大してきました。しかし、アフターコロナ時代に突入した今、会員の継続率や満足度に新たな課題が浮かび上がっています。特に深刻なのが、「孤独感」です。
自分のペースでトレーニングできるという無人ジムのメリットが、逆に人との関わりを減らし、モチベーションの低下や退会の原因になっているケースが増えています。では、どうすれば会員が孤独を感じず、楽しみながら通い続けられるジムをつくることができるのでしょうか?
今回は、孤独を感じさせないジムづくりの戦略と、注目のBFR(血流制限)トレーニングを活用した継続率アップの施策について解説します。
実際に、孤独感は日本社会全体でも大きな問題となっています。内閣府が2023年に実施した調査によると、16歳以上の約4割(39.3%)が「日常的に孤独を感じている」と回答しています。特に20代では、その割合が42.7%と高く、無人ジムの主要な利用層でもある若年層が強い孤独感を抱えていることがわかります。
ジムにおいても、「誰にも声をかけられない」「相談する相手がいない」「頑張りを見てくれる人がいない」といった状況が続くことで、トレーニングのモチベーションは低下しやすくなります。そして、結果として退会率が上昇し、継続的な収益確保が難しくなってしまうのです。
それでは、無人ジムというスタイルを維持しながら、会員の孤独感を解消するためにできる工夫にはどのようなものがあるでしょうか。以下に、効果的な6つの施策をご紹介します。
週に数回でもOK。少人数制のサーキットトレーニングやヨガ、ストレッチ教室を開催することで、自然な会員同士のつながりが生まれます。「一緒に頑張る仲間」がいることは、トレーニングの継続意欲を高める重要な要素です。
スポーツ大会、ウォーキング会、BBQなど、運動以外の場でも交流を促進できるイベントを企画することで、「このジムに通っていてよかった」と思ってもらえるきっかけになります。
InstagramやLINEオープンチャットなどを活用し、トレーニング記録の共有や情報交換ができる「ジム専用SNS」を運用することで、会員間の関係性を深めます。日々の変化を報告できる場があることは、継続のモチベーション維持にも有効です。
無人とはいえ、スタッフの巡回時や受付対応時には意識的にコミュニケーションを取ることが大切です。挨拶、軽い会話、フォームへのフィードバックなど、小さな接点が「ここに通いたい」という気持ちにつながります。
5分間だけの短時間BFRセッションを無料で体験できる施策は、トレーナーとの信頼関係構築に役立ちます。トレーニングに不安を感じている初心者層でも安心して相談できる環境をつくることができます。
すべての時間帯でなくても構いません。会員が集中する時間帯にトレーナーが常駐することで、アドバイスや相談がしやすくなり、「1人じゃない」という安心感を得られます。
上記施策の中でも特に注目されているのが、BFR(Blood Flow Restriction)トレーニングの導入です。専用ベルトで四肢の血流を一時的に制限することにより、低負荷でありながら高強度トレーニングと同等の効果を得られるという、革新的なメソッドです。
軽い負荷で筋力アップ・筋肥大が可能
関節への負担が少なく、高齢者や初心者にも安全
トレーニング時間の短縮が可能
リハビリや運動不足解消にも効果的
指導が必要なので「人との接点」が自然に生まれる
BFRは、「無人ジム×コミュニケーション創出」という、一見矛盾するニーズを見事に橋渡しできる存在です。スタッフによる指導付きの短時間セッションを提供することで、サービス価値と人との関わり、そして収益性のすべてを向上させることが可能です。
これからのジム運営においては、「施設の充実」だけでなく「人とのつながりを感じられる環境づくり」が、会員満足度や継続率に直結する重要な要素となります。特に無人ジムでは、孤独感をどう補うかが成功の分かれ道です。
今回ご紹介した施策やBFRトレーニングの導入は、どれもすぐに実践可能なものばかりです。ぜひ一つひとつのアイデアを、自ジムの特性に合わせて取り入れ、孤独を感じさせない「また行きたくなるジム」づくりを目指してみてください。
孤独を解消し、ジムを“楽しい居場所”に。
それが、これからのフィットネス経営の新常識です
ビジネス

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通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
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