流通業界のコンサルタントA氏と話をした。彼は某総合研究所で上席を務める。A氏によると平成最後のビジネスサクセスのポイントは「感動の連鎖」なのだそうだ。感動の連鎖とは一言でいえば「顧客の受け取り価値」を高めること。これなしでは、今やビジネスの成功は手に入らないとまで言われている。昨今注目されているマーケティングにCX(カスタマー・エクスペリエンス)がある。これは顧客経験価値のことで、製品やサービスの購入から利用まで、感情的な価値を追い求める顧客の「受け取り価値」を高めることによって、コストパフォーマンスの良い状態で収益を上げることが可能になる。機能やプライスと言った合理的な満足だけでは、集客が可能な時代ではない。加えて感情的に満足しなければ売り上げは伸びないのだ。「顧客の受け取り価値」を向上させること。すなわち「感動した!」と顧客に言わせること。それが今、パーソナルトレーナーやジム経営者の知恵の出しどころというわけだ。例えば、CXで良く名前のあがるスターバックスコーヒーは、自らの店舗をサードプレイス(第3の場所)としての憩いの場として位置づけ、そこに「感動」の価値を生み、顧客の受け取り価値を満たしている。先日、著名なパーソナルトレーナーのプロレスの試合を観戦した。「感動した!」「ジムの戸を叩いてみようかな?」と、一瞬心がゆれた。どうもこの連鎖が大切なようだ。幸いにもパーソナルトレーナーには人柄、技術、経験、体験と人を感動させるネタには事欠かない。ひとつひとつ丁寧に掘り起こし実践してみること。来年の先客万来に一筋の輝く道が見えないだろうか。