コラム

糖質制限(ローカーボ)ダイエットの正しいやり方(2/6)


  • ダイエット・食事
  • 筆者:浅野 忍圡
■糖質制限(ローカーボ)ダイエットの正しいやり方とは
現在、流行にもなっている糖質制限ダイエットですが、しっかりとした知識を身に付け、行わなければ逆効果になってしまいます。まず糖質制限ダイエットを行うにあたり知っておくべき知識はいくつかあります。

■体脂肪を増やす酵素を知る ~インスリンの効果とは~
ダイエットにおいて、もっとも問題となるのは「インスリン」です。

インスリンは糖尿病治療の際に用いられるものとしてよく聞くと思います。私たちの体は血液中のブドウ糖を燃料にして動いています。ブドウ糖は、ごはんやパンなどの炭水化物、イモ類やお菓子などの糖分に含まれています。

普段の食事から摂取したブドウ糖が血液中に溶け込んで全身に運ばれることでエネルギーとして働くようになります。そして、私たちの脳や筋肉、内臓が動いて生命が維持される仕組みとなっているのです。

この血液中のブドウ糖は、「血糖」と呼ばれています。
血糖の量は食事をすると増え、1~2時間をピークに減っていきます。血糖の量は、食事のほか、さまざまな原因によって変動しますが、健康な人の体内では変動する血糖が上手にコントロールされ、いつも一定の幅の中で保たれています。

その理由はインスリンの働きにあるのです。
しかし、このインスリンには残念なことに、脂肪燃焼の酵素である「ホルモン感受性リパーゼ」を低下させて脂肪燃焼を阻害する働きがあります。さらに、逆に体脂肪を蓄積するホルモン「リポタンパクリパーゼ」の活性を高めて脂肪蓄積を促進する作用もあるのです。リポタンパクリパーゼが働くと、「身体は炭水化物を体脂肪にすることが可能」になるのです。逆に言うと、リポタンパクリパーゼの働きを高めないように、インスリンの分泌を低くする事が重要なのです。

■糖質制限を行う時には「ケトーシスとケトン体とは何か」を理解しましょう。

体脂肪を蓄積するホルモンであるリポタンパクリパーゼの働きを高めないようにするには、炭水化物の摂取を制限することが効果的です。

炭水化物を制限した場合、「ケトーシス」という通常とは違った代謝状態になり、ケトン体が体内に発生します。

実はこのケトン体は、ブドウ糖に代わり、脳のエネルギーになることができます。さらには脳だけでなく筋肉や心臓、腎臓などもケトン体をエネルギーとすることができるようになります。

炭水化物ではなく主にケトン体がそれらのエネルギー源となっている状態のことを、「ケトーシス」と呼びます。
このケトン体を作り出すには、実は脂肪が必要なのです。
よって、糖質制限(ローカーボ)ダイエットは、炭水化物を制限することにより「ケトーシス」の状態を利用し、脂肪を利用しながら、ケトン体を生み出す。
そして、エネルギー源として活動できるようにして体脂肪燃焼(ダイエット)を実現しているのです。

炭水化物の摂取量が少ないと、身体は脂肪酸やアミノ酸からエネルギーを作らざるを得ません。アミノ酸から炭水化物も生成されますが(糖新生といいます)、その量には限りがあります。そのため、炭水化物の摂取量が極端に少ない場合は、ケトン体が主なエネルギー源となるのです。

ここで、糖質制限ダイエットでよくある間違いがあります。
上記で説明したようにケトン体をつくるためには、脂肪が必要です。なおケト原生アミノ酸というケトン体になる性質を持つアミノ酸が材料になります。

糖質制限ダイエットの際には多くの人が、なぜか脂肪の摂取も制限してしまいます。
鶏のササミとか卵白、赤身肉、プロテインなどばかり摂取していて、脂肪を摂取していません。ケトン体の主な材料となる脂肪がなければ、身体はケト原生アミノ酸(ロイシンやリジン)を材料にしてケトン体をつくるしかありません。

この時、食物から摂取したアミノ酸だけでは足りず、筋肉が分解されてケト原生アミノ酸が取り出され、ケトン体が生成されてしまうのです。すると、糖原生アミノ酸(糖になる性質を持つアミノ酸)が筋肉の分解してしまいます。

つまり、糖質制限ダイエットの時には、脂肪を適切に摂取しなければ、筋肉がどんどん壊されてしまうのです。間違った糖質制限ダイエットで「体重が減った」と喜んでいる方は多いようですが、実は筋肉の減少による、体重減少となっているケースが多くみられます。こうしたダイエットを繰り返していると、筋肉量が減るのと合わせて基礎代謝量も減ってしまい、太りやすい体質になる可能性があります。

よって、ダイエットを止めたら、筋肉の減少によって代謝が低下しているため、ひどいリバウンドが起こります。糖質制限(ローカーボ)ダイエットを実施する際には気をつけなければなりません。

■注意事項
・体調が優れない場合には、すぐに中止してください。
・専門の医師に相談してください。

■参考著書・資料:
アスリートのための最新栄養学(上)
アスリートのための最新栄養学(下)
【世界中の研究結果から学ぶ】~博士のダイエット研究所~

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