コラム
2023/07/07

動脈硬化の指標として、FMDという数値があります。これはFlow Mediates Dilationの略で、最大拡張血管径から安静時血管径を引いたものを安静時血管径で割ったものの数値となります。つまり血管がどれだけ広がるかを示す数値だと考えてください。
血管内皮細胞は血管を拡張させる物質であるNO(一酸化窒素)を放出しますが、これがどれだけ放出されるかを調べることにもなります。そのため、アルギニンやシトルリンを摂取してからFMDを検査すれば、通常時と違いが見られるかもしれません。この研究も将来的に協会で行いたいと考えています。
FMDを検査する際には、太いカフを前腕に巻いて5分間圧迫します。圧迫前と圧迫後で血管径を比較するわけです。圧迫されてから解放されることで血流が増大し、そのときにNOが発生します。このとき、前腕は動かしません。
では、圧迫時に前腕のエクササイズを行なったらどうなるのでしょうか。つまりBFRトレーニングを行うわけです。
片方の肘の2cm下にカフを巻いて80mmHgで圧迫し、20分に渡って握力エクササイズを行った研究があります。(※1)
その結果、非常に面白いことに、トレーニング終了15分後に、カフを巻かなかったほうの前腕のFMDが顕著に改善されたのです。カフを巻いたほうは変化が見られませんでした。
では長期的な作用はどうでしょうか。週3回のBFRトレーニングを6週間に渡って行ったところ(圧は110mmHg)、こちらはトレーニングしたほうの足のFMDが顕著に改善しており、トレーニングしていないほうは変化が見られませんでした。(※2)
BFRトレーニングは血管内皮機能を改善し、動脈硬化を防ぐのに効果的となるかもしれません。
※1:
Effects of disturbed blood flow during exercise on endothelial function: a time course analysis.
Braz J Med Biol Res. 2016;49(4). pii: S0100-879X2016000400701. doi: 10.1590/1414-431X20155100. Epub 2016 Feb 23.
※2:
Time course of regional vascular adaptations to low load resistance training with blood flow restriction.
J Appl Physiol (1985). 2013 Aug 1;115(3):403-11. doi: 10.1152/japplphysiol.00040.2013. Epub 2013 May 23.
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