先日も記事にしたが「集客と継続」のためには「ファンマーケティング」、すなわちトレーナー個人やジムそのもののファンを付ける努力をしなければならない。しかしいきなり「ファンになってください」と言っても、過剰なサービスをしても人の心は動かないもの。「ファン」とは、育てるもの、いっしょに育つもののようだ。スポーツマーケティング・マネジメント研究でファン心理を理解する理論というものがある。「心理的連続モデル」と呼ばれるもので、米テンプル大のダニエル・ファング教授が提唱したもの。人は「認知」→「魅力」→「愛着」→「忠誠」という4段階で心を動かし、ファンになる。ファンになってしまうとそれは「人生の一部」になり、そこでは熱狂する。例えば野球のイチロー選手を例にとると、認知では「イチロー先週を知っている」魅力は「球場やテレビ画面で活躍を見るのが楽しい」愛着は「ファンだと口にする」忠誠は「イチロー選手の成果に一喜一憂する。人生の一部」と感じるほどのファン。「愛着」の段階になると結果が良くても悪くても応援し続ける。引退をしても「イチローがトレーナーになっても応援する気持ちは変わらない」と口にする。トレーナーとしての自分、ジム経営者としての自分にも「ファン」を付け、育ててゆきたい。さて、どうすれば育てることができるのだろうか?ファンというのは対象物を自分と重ね合わせてみるものなのだという。ある研究では「スポーツの勝負や結果までの道のりを通じて何よりも「楽しむこと」に共感することができなければファンは根付かない」と言われる大会などで結果が出なくても、努力をしている姿を見せるとか、クライアントの話に耳を傾けあれこれと提案してくれる姿など。共に歩む姿勢を示すこと。これが大切なことのようにも思える。さらに付け加えると「社会活動」にも現代人は関心が強い。ジムやトレーナーの存在を通して社会貢献をしている、例えば高齢者施設に筋力づくりをテーマに慰問をしているなどの行動をともにするなど。そんなストーリーを描き、見せてあげることなどに「ファン」を育てるコツが隠れている。