コラム

BFRトレーニングのシステマティックレビュー


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
BFRトレーニング 最新情報 BFRトレーニングのシステマティックレビュー

BFRトレーニングを実施する際に、クライアントから受ける質問としてもっとも多いもの。それは「安全なのでしょうか?」という問いではないでしょうか。

BFRトレーナーの方は資格取得の際に受ける講義で「理論的には安全だ」と分かっているはずですし、その説明もできるはずです。しかしヒトは理論ではなく感情で動くもの。理論的に大丈夫だと分かっていても、なかなか納得できないのが現実です。ネットでちょっと「危険だ」と書かれていたりしたら、それだけで不安になってしまうものです。
安全にBFRトレーニングを行うために

安全にBFRトレーニングを行うために

そこで今回はBFRトレーニングの安全性について調べたシステマティックレビューを紹介しましょう。つまり理論ではなく、実際にBFRトレーニングを行ってどんな結果だったのかということです。

1990年から2015年に渡って行われたBFRトレーニングに関する研究で、血圧に関する16論文、心拍数に関する19論文、ダブルプロダクトに関する4論文について調査しました。
具体的には「低強度でのトレーニング」と「低強度でのBFRトレーニング」、「高強度でのトレーニング」の比較です。
なおダブルプロダクトというのは「心拍数*収縮期血圧」の値で、これは心筋が酸素をどれくらい必要としているかの指標です。心筋が必要としているだけの酸素を得られない場合、心筋の虚血が起こります。

その結果、血圧と心拍数、ダブルプロダクトは低強度トレーニングが一番低く、低強度BFRは、それより少し高くなっていました。そして高強度トレーニングはこの中で断然高い値を示しました。つまりこれらの指標に関する限り、高強度トレーニングよりは安全だということです。

またBFRトレーニングにおける血圧と心拍数、ダブルプロダクトの変化は、年齢や血流制限の場所(腕か脚か)による違いはほとんど見られていません。
ただしカフの幅が広いほど数値は高くなり、また血流制限を行っている時間が長いほど数値は高くなっています。
ただしこれらの変化は「通常の変化の範囲内」であり、血流制限は安全なトレーニング法であると、研究者たちは結論付けています。(※1)

高齢者に行われるウェイトトレーニングは一般的に高強度であることが多いのですが、血圧の問題を抱える人の場合、低強度でのBFRトレーニングのほうが、むしろ安全に行うことができるという結論です。ぜひクライアントに周知させるようにしてください。


※1:
Effects of resistance training with blood flow restriction on haemodynamics: a systematic review.
Clin Physiol Funct Imaging. 2016 Apr 20. doi: 10.1111/cpf.12368.

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