コラム
2023/07/07

疲れているときには、もちろん身体を休めることが大事です。休めるといってもいろいろなレベルがありますが、まずは睡眠を確保することが必要となります。
若いアスリートを対象にした研究では、睡眠時間が8時間以内だと、9時間以上寝ている場合に比べて1.7倍もケガをしやすかったと報告されています。
また高齢者を対象にした調査では睡眠状態が悪いと筋肉量や筋力が低下している傾向にあり(※2)、体脂肪も多く、特に中心性肥満になりやすいということが分かっています(※3)
睡眠時間が短いとレプチンが低下し、それで体脂肪が増えやすいのかもしれません。(※4)
そうは言っても、毎日忙しく働いているのに長時間の睡眠をとるなんて、プロのアスリートでもない限り、不可能というものです。となると睡眠を深くし、質を改善するしかありません。
Part 4では亜鉛とマグネシウム、ビタミンB6のミックスである「ZMA」をお勧めしましたが、今回は「テアニン」を紹介したいと思います。
テアニンは緑茶の旨み成分として知られており、古くから「緑茶を飲むと、ホッとする」と言われていましたが、これはテアニンの作用によるもののようです。
寝る1時間前にテアニンを200mg摂取したところ、プラセボ群に比較して睡眠途中で起きてしまう時間が短くなり、また起きたときのリフレッシュ感が改善したことが確認されています。(※5)
またテアニンを200mg摂取した群は対照群と比較してα波の出現が有意に増大し、心拍数は優位に減少、視覚的注意や反応時間が有意に改善したという結果も出ています。(※6)
テアニンは脳内において抑制的に働きます。興奮性神経伝達物質である「グルタミン酸」が受容体に結び付くときに拮抗的に働くため、交感神経を抑えて副交感神経が優位に立つようになります。そのため、気が昂ぶって眠れないというようなときに、特に効果を表します。
テアニンは摂取1時間後に血中レベルが上がり始め、最大になるのは5時間後で、その後ゆっくりと下がっていきます。そのため、夕食後に200mgのテアニンを摂取してその3時間後くらいを目安にして寝るようにすると、ちょうど良いでしょう。
※1:
Too little sleep and an unhealthy diet could increase the risk of sustaining a new injury in adolescent elite athletes.
Scand J Med Sci Sports. 2017 Nov;27(11):1364-1371. doi: 10.1111/sms.12735. Epub 2016 Aug 19.
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