コラム
2023/07/07

果糖の害は数多く、中性脂肪を増加させたり痛風や脂肪肝の原因になったり、AGEsを大量に生成したりなどの問題が知られている。また果糖はトランスケトラーゼというペントースリン酸経路における酵素の活性を高め、すい臓がんの増殖を促進することも分かっている。(※1)
さらに果糖に拠る脳への悪影響も、最近になって明らかとなってきた。果糖はDNAメチル化(DNAの後天的修飾)や選択的スプライシング(DNAの不要な部分切り捨てがスプライシング。それが変化し、複数の変異タンパクが生成されること)、マイクロRNA転写への影響などにより、様々な作用をもたらすようだ。(※2)
毎日1リットルの炭酸飲料を飲むに等しい量の果糖をマウスに与えたところ、脳における遺伝子ネットワークのキードライバーであるFmodとBgnに悪影響がもたらされた。ただしそれは同時にDHAを摂取することにより、改善されたのである。
視床下部においては果糖摂取によりFmodとBgnがダウンレギュレートされたが、「果糖+DHA」だと両者ともにアップレギュレートされた。海馬においては逆で、果糖摂取によりFmodとBgnがアップレギュレートされたが、「果糖+DHA」だと両者ともにダウンレギュレートされた。
DHAはプロテクチンと呼ばれる内因性の抗炎症物質を生成することが知られており、炎症を抑制するほかアルツハイマー病患者の脳内におけるPD1産生量を減らしたり、血管新生を抑制したり、神経細胞を保護したりといった作用があることが分かっている。またタンパク合成酵素であるp70s6kを活性化する作用もあるようだ。
また京都大学の研究では、高脂肪食に加えてEPAとDHAをマウスに10週間与えたところ、ただ高脂肪食を与えた群と比較して内臓脂肪が10~25%減少していた。(※3)
これは脱共役タンパクであるUCP-1が増加して白色脂肪組織がベージュ脂肪細胞に変化したことと、β3アドレナリン受容体が増加したことによるものである。
食事からEPAやDHAを摂取する場合、イワシには100gあたりに1400mgのEPAと1200mgのDHA、サンマには100gあたりに800mgのEPAと1300mgのDHA、サバには100gあたりに1200mgのEPAと1700mgのDHAが含まれる。つまり毎日これらの魚を100gずつくらい食べれば、効果は期待できる。
青魚を食べられない場合は、サプリメントで摂取することになる。その場合は消化酵素の分泌を考え、「一日のうちで、もっとも多く食べる食事」の後に飲むようにするといいだろう。普通は夕食後だ。
※1:
Fructose Induces Transketolase Flux to Promote Pancreatic Cancer Growth
Cancer Res. 2010 Aug 1;70(15):6368-76. doi: 10.1158/0008-5472.CAN-09-4615. Epub 2010 Jul 20.
※2:
Systems Nutrigenomics Reveals Brain Gene Networks Linking Metabolic and Brain Disorders
doi:10.1016/j.ebiom.2016.04.008
※3:
Fish oil intake induces UCP1 upregulation in brown and white adipose tissue via the sympathetic nervous system
Scientific Reports, 2015; 5: 18013 DOI: 10.1038/srep18013
食事・サプリメント

年末年始に太らない食べる順番だけで血糖値は3割減?食後の眠気も撃退「最強の食事法」
はじめに:なぜ「食べる順番」だけで痩せるのか?年末年始、忘年会や新年会、実家への帰省など、どうしても食事の量が増えがちなシーズンがやってきました。「美味しいものは食べたい、でも太りたくない」……これは...
齊木 英人

BFRトレーニングとシリカの相性:女性の健康と美容をサポートする新たな可能性
はじめに近年、健康志向の高まりとともに、効率よく筋力をつけながら美容と健康を維持する方法が注目されています。その中で、*低負荷でも筋力アップが可能な「BFR(血流制限)トレーニング」と、骨・関節の健康...
久保 綾乃

BFRトレーニングとアルギニンの効果をやさしく解説
BFRトレーニング(血流制限トレーニング)は、軽い負荷でも筋肉を大きくする効果があるトレーニング方法として注目されています。このトレーニングを行うと、体内で「一酸化窒素(NO)」や「ヒートショックプロ...
齊木 英人

あんパン。今やスポーツ選手の補食?
スポーツシーンにいろいろな食べ物が登場する。トップアスリートには有名な食品メーカーが寄り添い、栄養サポートをしているし、子供やお年寄りの栄養指導は行政が指導し、スポーツジムではダイエットや体力づくり、...
齊木 英人

ラクトバチルス・ロイテリ菌の効果とは
プロバイオティクスには様々な種類があるが、特にお勧めしたいのが「ラクトバチルス・ロイテリ菌」である。まだ動物実験での段階ではあるが、数多くの作用が認められており、ヒトでの研究も進められている。さてこの...
山本 義徳

ビタミンDの多彩な効果とは
ビタミンは主に「補酵素」として働くのに対し、ビタミンDは少々異質である。すなわち、体内で生成可能であり、レセプターが存在し、ホルモン様作用を起こすのである。なおビタミン摂取において必ず議論となるのが、...
山本 義徳
通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
© BFR Trainers Institute 2025