コラム

疲れをとる栄養は? Part 5


  • サプリメント
  • 筆者:山本 義徳
疲労は大きく肉体的な疲労と精神的な疲労に分けて考えることができますが、精神的な疲労に大きくかかわってくるのが神経伝達物質です。神経は一本の長い線がすべてをつないでいるわけではなく、ところどころに隙間があります。その隙間を「シナプス間隙」と呼びます。
シナプス間隙には神経伝達物質がたまっていて、これが情報を伝達していきます。しかし神経伝達物質が足りなくなると、情報がうまく伝わらなくなります。これが精神的な疲労の一因となります。

神経伝達物質の中でも特に重要なのがアセチルコリンです。他にアドレナリンやノルアドレナリンなども重要で、この「疲れをとる栄養は?」シリーズのPart 1やPart 2で紹介していますので、ぜひ読み返してみてください。
さて、アセチルコリンが体内で合成されるときは、コリンアセチルトランスフェラーゼという酵素が「コリン」と「アセチルCoA」を結びつけます。なお、この酵素はビタミンB12によって活性化されます。

アセチルCoAは糖質やアミノ酸、脂肪から簡単につくられますので、ダイエット中でもなければ不足することはありません。そこでコリンが大事になってきます。
しかしコリンをそのまま摂っても、腸内細菌で簡単に分解されてしまいます。そこでコリンを含んでいる「レシチン」を摂るようにしてみましょう。レシチンの形で摂ると分解の手間がかかるため、腸内で生き残るコリンの量が増えるのです。

レシチンはリン脂質の一種で、細胞膜をつくっています。そしてレシチンの13%がコリンからできています。レシチンを摂ることで記憶力や認知機能が改善されたり、コレステロール値が改善されたりといった効果が期待できます。(※1, ※2, ※3)
レシチンにはゲルタイプやカプセルタイプ、顆粒タイプなどがありますが、顆粒タイプのものが一番有効成分量は多く、安価に買えます。ただし湿気やすいので封を切ったら早めに使い切るようにしましょう。
またレシチンには卵黄由来のものと大豆由来のものがありますが。ホスファチジルコリンの量は卵黄由来のほうが多くなります。ただし大豆由来のほうが体内に留まりやすく、動脈硬化などへの効果は高いようです。
摂取方法としては朝食後と夕食後に5gずつ。一日トータルで10gといったところです。

似た効果が期待できるサプリメントとして、αGPCというものもあります。他にCDPコリン(シチコリン)というものもありますが、これは2018年になってから個人輸入が禁止されてしまいました。しかしコリン補給源としてはαGPCのほうが血液脳関門を通りやすいため、優秀だと考えられます。
αGPCの有効摂取量は一日に300~600mgといったところです。

※1:
Verbal and visual memory improve after choline supplementation in long-term total parenteral nutrition: a pilot study.
JPEN J Parenter Enteral Nutr. 2001 Jan-Feb;25(1):30-5.

※2:
Effects of dietary soybean lecithin on plasma lipid transport and hepatic cholesterol metabolism in rats.

※3:
The effect of lecithin supplementation on the biochemical profile and morphological changes in the liver of rats fed different animal fats.
Vet Res Commun. 1999 Jan;23(1):1-14.

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