コラム
2023/07/07

MSMとは何か。これはmethylsulfonylmethaneの略で、「有機イオウ」のことである。イオウには温泉などに含まれる鉱物由来の無機質のものと、植物に含まれる有機質のものの2種類がある。
サプリメントで使われるMSMは針葉樹から抽出したもので、一般には関節を保護する作用が知られている。
MSMはどのように関節を保護するのか。軟骨や腱、靭帯などの結合組織の主成分は「GAG(グリコサミノグリカン)」である。GAGはコンドロイチン硫酸やケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸など「硫酸」を含むものが大半であり、MSMのイオウは硫酸基を構成することによってこれらGAGの構成を助けてくれるのである。
さらにイオウはタンパク質の四次構造形成(インスリンなど)にも不可欠となるほか、肌や爪、髪などにも必要とされる。
またMSMは細胞膜における内圧と外圧を均一化し、浸透性を高めることによって栄養素の取り込みを促進する作用もあり、さらにグルタチオン(抗酸化、解毒作用など)の生成にもかかわる。
加えて神経細胞C繊維(無髄神経)を伝わる慢性的な痛みのインパルスを抑え、痛みを緩和する作用もある。
そして最近になって知られてきたのが抗酸化作用と、それに伴う回復促進作用である。
レッグエクステンションを18セット行わせ、MSMを一日0gか1.5g、あるいは3.0g摂取させた研究では、3.0g摂取群は明らかに筋肉痛が軽減され、回復が早まっていた。(※1)
また体重1kgあたり50mgのMSMを14kmのランニング前に摂取させることにより、グルタチオンのレベルが対象群に比べて高く維持され、酸化ストレスが軽減されていた。(※2)
MSMは経口摂取だけでなく、ローションとしてケガをしている部位に塗るという方法もあり、吸収効率も良い。グルコサミンやコンドロイチンの効果を高めるためには、イオウを供給してくれるMSMの協力が不可欠であるため、ケガをしているトレーニーにはマストアイテムとなるだろう。
※1:
Influence of methylsulfonylmethane on markers of exercise recovery and performance in healthy men: a pilot study.
J Int Soc Sports Nutr. 2012 Sep 27;9(1):46. doi: 10.1186/1550-2783-9-46.
※2:
Effect of chronic supplementation with methylsulfonylmethane on oxidative stress following acute exercise in untrained healthy men.
J Pharm Pharmacol. 2011 Oct;63(10):1290-4. doi: 10.1111/j.2042-7158.2011.01314.x. Epub 2011 Aug 1.
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