【BFRトレーニングはミトコンドリアを増やす!】私たちの身体はATP(アデノシン三リン酸)をエネルギーとして使っています。このATPを作り出すために重要な働きをするのが「ミトコンドリア」です。はじめてランニングをすると、息が上がります。最初はキツイのですが、だんだん慣れてきます。これはランニングを続けることによって、ミトコンドリアが増えたからです。残念ながら年齢を重ねるにつれ、だんだんミトコンドリアは減ってしまいます。またミトコンドリアの「質」も悪くなっていきます。通常は老化が早まらないように老化を止めたり、癌になるのを防いだり、遺伝子を修復したりするようにミトコンドリアが働いてくれるのですが、加齢によってミトコンドリアの質と量が低下すると、そうした働きが徐々に喪われていきます。すると、老化が促進されてしまいます。老化が促進されると、さらにミトコンドリアが減少し・・という悪循環により、私たちの身体はどんどん蝕まれていってしまいます。こうならないようにするためには、ミトコンドリアを増やし、質を良くするしかありません。「運動」をすることで、それが可能となります。しかし過度の運動は活性酸素を大量に発生させてしまい、逆に老化を促進してしまいかねません。そこでBFRトレーニングです。BFRトレーニングを行うことによって、PGC-1αという物質が増えます。(※1)これは遺伝子の働きを制御するもので、ミトコンドリアの合成を促進する作用があります。私たちの身体がATPを作り出すときは、酸素を使う場合と酸素を使わない場合があります。しかし殆どの場合は酸素を使ってATPを作り出す流れで、このときにミトコンドリアが活躍します。BFRトレーニングは血流を制限するため、筋肉を中心とした組織への酸素の供給が途絶えがちになります。その状況で運動するわけですから、少しでも有効に酸素を利用しなければなりません。そのため、BFRトレーニング時にはミトコンドリアを増やし、酸素を有効に利用しようとする働きが体内で起こるのでしょう。なおBFRトレーニングは短時間で終わるため、活性酸素の発生も最小限に抑えられます。※1:Acute and chronic effect of sprint interval training combined with post-exercise blood flow restriction in trained individuals.Exp Physiol. 2015 Sep 22. doi: 10.1113/EP085293