加圧BFR血流制限トレーニングが脳梗塞後の運動障害に刺さるという話はよく聞く話です。去る2023年4月16日メディカルトレーナーの経験を持つBFRトレーナーの澤木一貴氏(東京新宿区澤木ジム主催)の元で、脳梗塞後の運動障害、病歴6年、今もリハビリを続ける加藤準一さんに、BFRベルトを用いた運動指導をしていただきました。指導後の体の動き、軽度ながら「ろれつ」の改善したことに筆者は大変に驚きました。4月16日午後、東京都新宿区にある澤木ジムで、メディカルトレーナの経験を持ち、自らもメディカルトレーナーの育成に携わる澤木BFRproに、脳梗塞後の脳血管障害による運動障害を抱える加藤準一さん(埼玉県狭山在住 66歳)の運動指導をしていただきました。時間にして2時間弱。加藤さんの後遺症は中程度、顔にこそ麻痺はないものの、手足に麻痺があり、歩行がやや難しい状況です。歩く際には杖が必要で、手指は膠着が目立ちます。リハビリは週1回、そのほかの運動は気になるものの積極的にはしていないとのこと。加藤さん、倒れたのは59歳の時、入院は2か月におよびリハビリでようやく歩けるようになったとのこと。今も下肢静脈瘤がある。右足が上下に動かしにくく、身体障害者手帳を持っている。澤木氏はまず面談によって状況を知り、加圧BFR血流制限トレーニングができるかということを判断します。そして手足の動きを確認してプログラムを考えてくれます。加藤さんの目標は「健常者に近いくらい、すっすっすっと歩けるようになる」ということ。「僕は治すわけではなく、BFRトレーニングをとり入れた筋トレで体が動きやすくなって体を動かすことが楽しくなることをサポートします!」と澤木氏。面談が終わると、軽く立ったり座ったりと、体の可動域を確認し、まず下半身は脚にBFRトレーニングベルトを装着し、屈伸運動を指導しながら呼吸を見守ります。BFRトレーニングベルトの負荷は65mmHG前後。1セット10回を3回。両脚で行います。休憩を挟み上半身、腕に巻いたBFRトレーニングベルトは60mmHG。脚よりも緩めです。上半身はバーベルカールを1セット10回を3回。バーベルを持つ手が広がらず、ゆっくりと加藤さんが掴めるまで時間をかけます。ベルトを外した後は、澤木氏が柔軟運動で体をほぐしてくれました。終了直後、加藤さんは「体が動く」と興奮気味な声を上げました。筆者は施術の直後、加藤さんの呂律が改善し、ことばが聞き取りやすくなったことに驚きました。今後は最初は週2回、次に月2回のペースで指導をお願いする予定です。整形外科でのリハビリの現場を知る澤木さんの知識とトレーナーとしての技術+BFR血流制限トレーニング。この取り組みが多くの理学療法士さん、メディカルトレーナー、パーソナルトレーナーの活動のひとつへとつながることを願います。※ろれつが回らないのは脳や神経が関係した症状であることが多いといわれています。