コラム
2023/07/07

BFRトレーニングはmTORC1を活性化するため、筋発達に効果はあるものの、同時に癌細胞を増殖させてしまう危険性も考えられる。そのため、癌患者にBFRトレーニングは強く勧められない。また緩解後も、5年ほどはBFRトレーニングを控えるようにしたほうが良いと思われる。
ただし治療は常にリスクベネフィットを勘案して行われるべきで、癌細胞増殖のリスクがあったとしても、それを上回るベネフィットがあれば、話は別となってくる。
ネオアジュバント化学療法を受けている早期乳癌患者を対象に、化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)予防のため、治療的運動とBFRトレーニングを組み合わせたテーラーメイド・プログラム「PRESIONA」の急性効果および累積効果を分析する臨床試験が計画されている。(※)
ネオアジュバント化学療法というのは術前化学療法のことで、手術する前に病巣を小さくして手術を行いやすくする療法のことである。また全身転移が懸念される場合に、その可能性がある癌細胞を根絶させて治療成績を向上させる目的で行う化学治療のことをいう。
ただし化学療法には末梢神経障害がつきものである。抗がん剤の多くはがん細胞内の微小管に作用するが、同時に神経細胞の微小管にも作用してダメージを与えてしまうのだ。
特にタキサン系と呼ばれるパクリタキセルやドセタキセルなどは殺細胞性の抗がん剤であり、細胞増殖の盛んな細胞を障害する。
この臨床試験ではタキサン系抗がん剤を投与する72名の早期乳癌患者を対象に、低負荷の有酸素運動とBFRトレーニングを併用することが予定されている。
抗がん剤を使う場合、細胞増殖は抑えられるため、BFRによる癌細胞増殖のリスクよりも、末梢神経障害を抑えるベネフィットのほうが高いと考えられる。
臨床試験の結果がどうなるか、見守っていきたい。
※:
Prevention of Chemotherapy-Induced Peripheral Neuropathy with PRESIONA, a Therapeutic Exercise and Blood Flow Restriction Program: A Randomized Controlled Study Protocol
Phys Ther. 2022 Jan 5;pzab282. doi: 10.1093/ptj/pzab282.
BFRトレーニング

不眠ループをBFRで
「あぁ、また今日も寝つけない……」時計の針が深夜2時を回る絶望感。枕を買い替え、アロマを焚き、スマホを遠ざけても、頭の中の「反省会」が止まらない。そんな夜を過ごしていませんか?もし、あらゆる安眠グッズ...
齊木 英人

「脳の洗浄タイム」─BFRトレーニング
脳の霧を振り払い、思考の「解像度」を上げる――BFRトレーニングがもたらす、知られざる覚醒の科学先日、私のセッションを受けに来られたある経営者の方が、トレーニングを終えてベルトを外した瞬間に、ポツリと...
齊木 英人

BFRトレーニングが「感動の連鎖」を生む
澤木一貴です。これまでのコラムでは、BFRトレーニングの「科学的根拠」や「ビジネスモデル」、そして「医療との連携」といった、少し硬派でロジカルな側面を中心にお話ししてきました。 今回は、トレーナーとい...
澤木 一貴

BFRで高単価・時短セッション
澤木一貴です。これまで、市場分析から基礎理論、そしてターゲット層の拡大(女性・高齢者)についてお話ししてきました。 今回は、いよいよ皆さんが最も気になっているであろう「ビジネスの本丸」、つまり「収益構...
澤木 一貴

BFR「ある絶対条件:安全性」
澤木一貴です。前回は、経営者層をターゲットにした「時短・高単価」という、かなり攻めたビジネスモデルについてお話ししました。 「30分で売り上げを倍にする」 ワクワクしましたか? それとも「そんなにうま...
澤木 一貴

BFRのアンチエイジング効果とリハビリ
澤木一貴です。ここまで、第1回で「市場分析」、第2回で「基礎理論」、第3回で「ファンクショナルトレーニングとの融合」についてお話ししてきました。 少しずつ、BFRトレーニングが単なる「流行りの筋トレ」...
澤木 一貴
通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
© BFR Trainers Institute 2025