コラム

BFRトレーニングと電気刺激の併用は


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
シックパパッドなどの電気刺激を与える器具は非常に売れているようで、筋力や筋肥大への効果はイマイチなものの、リハビリ時における筋力低下を防いだり、部位別脂肪燃焼を少しだけサポートしたりなどの効果は期待できます。

電気刺激は長時間与えることになるため、必然的に軽い負荷となります。これはBFRトレーニングと相性が良いのではないでしょうか。

実際に電気刺激(FES)とBFRを併用した場合(FES+BFR群)とBFRを併用しない場合(FESのみ群)に分け、筋肉の厚さ(MT)と浮腫の形成に対する急性期の影響を比較した研究があります。ここでは週2回のトレーニングを8週間続けた後のMTと浮腫に対する慢性的な影響を、BFRありとなしで比較しました。(※1)

その結果、FES+BFR群はFES群に比べてMTが増加していました。最初の4週間は継続的にMTが増加し、その後8週目までは増加がみられませんでした。そして3週間のトレーニングオフにより、MTは元に戻りました。FESのみ群ではMT増加は最初からほとんど起こっていなかったようです。

またラットによる研究では、80mmHgで脚の血流を制限した状態で電気刺激(EMS)を加えたところ、筋肥大が起こり、タンパク合成が高まっていることが確認されています。(※2)

さらに糖尿病における血管萎縮にも「BFR+電気刺激」は有効なようです。24匹の糖尿病ラットをなにもしない群とBFRのみ群、電気刺激群、BFR+電気刺激群とに分けて比較した研究があります。(※3)
大腿部に80mmHgでカフを巻き、ふくらはぎに電気刺激を行いました。

その結果、なにもしない群ではヒラメ筋の毛細血管径と体積が減少し、血管新生因子が増加しました。そしてBFR群と電気刺激群の両方とも毛細血管の退縮や血管新生因子の増加を抑制することはできませんでした。
しかしBFR+電気刺激群では血管新生因子の増加が抑制され、IL-15の発現やミトコンドリア合成因子、血管新生因子が増加し、糖尿病に伴う毛細血管の退縮を抑制することができたのです。
これは筋肉内における低酸素症の抑制を介して糖尿病による血管新生因子の増加を抑制し、血管新生因子を増強することによって得られた効果だと思われます。

糖尿病はこれからさらに増えてくるものと思われますが、BFR+電気刺激が合併症を抑える強力な武器になるかもしれません。

※1:
Effects of functional electro-stimulation combined with blood flow restriction in affected muscles by spinal cord injury
Neurol Sci. 2021 May 12. doi: 10.1007/s10072-021-05307-x.

※2:
Effects of combined treatment with blood flow restriction and low current electrical stimulation on muscle hypertrophy in rats.
J Appl Physiol (1985). 2019 Sep 26. doi: 10.1152/japplphysiol.00070.2019.

※3:
Effects of combined treatment with blood flow restriction and low-current electrical stimulation on capillary regression in the soleus muscle of diabetic rats
J Appl Physiol (1985). 2021 Oct 1;131(4):1219-1229. doi: 10.1152/japplphysiol.00366.2021. Epub 2021 Aug 26.

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