コラム

BFRトレーニングと糖尿病の関係は


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
糖尿病患者はインスリンの働きが悪いため、筋肉量が減ってサルコペニアとなる可能性が高いと言われます。では糖尿病患者にとって、BFRトレーニングは有効な対策となるのでしょうか。
BFRトレーニングと糖尿病の関係は

BFRトレーニングと糖尿病の関係は

BFRトレーニングは物理的な筋収縮によってGLUT4のトランスロケーションを促し、ブドウ糖の取り込みを高めることが示されています。
またmTOR/p70s6kとp38MAPK/PGC-1αシグナル伝達経路を活性化することにより、タンパク合成とミトコンドリアのバイオジェネシスを促進することも知られています。
これらはどちらもⅡ型糖尿病患者にとって良い影響があると考えられ、また筋肉内脂肪の酸化(エネルギーとして燃焼)を促進することで脂肪酸毒性も減少できると思われます。
そしてADPとATPの比率を変えてAMPKを活性化し、ミトコンドリアにおける脂肪酸参加を促進して筋肉内脂肪を減らす効果をさらに高めていきます。
以上を図で示したものが、次のイラストとなります。(※1)

実際にBFRサイクリングを週3回、6週間やることでGLUT4とNOの活性が増加して糖の利用が増加したという報告(※2)や、週2回のBFRトレーニングを8週間行うことでインスリンレベルとHOMA-IRが改善したという報告(※3)、メタボ患者が3ヵ月のBFRトレーニングを行ったところ、HbA1cが10%減ってLDLも8%減少したという報告(※4)もあります。
運動不足に伴って、糖尿病患者はこれからさらに増えてくると思われます。その対策としてBFRトレーニングが脚光を浴びる日も近いかもしれません。

※1:
Effects of Blood Flow Restriction Exercise and Possible Applications in Type 2 Diabetes
Trends Endocrinol Metab. 2021 Feb;32(2):106-117. doi: 10.1016/j.tem.2020.11.010.

※2:
Blood flow-restricted training enhances thigh glucose uptake during exercise and muscle antioxidant function in humans.
Metabolism. 2019; 98: 1-15

※3:
Blood flow restriction resistance exercise improves muscle strength and hemodynamics, but not vascular function in coronary artery disease patients: a pilot randomized controlled trial.
Front. Physiol. 2019; 10: 656

※4:
Kaatsu training – application to metabolic syndrome.
Int. J. KAATSU Training Res. 2011; 7: 7-12

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