コラム
2023/07/07

足関節の捻挫はスポーツ傷害の15~30%を占めており、治ったとしても慢性的な後遺症が残存し、また同じ部位を傷めたり、通常時における不安定感を残したりすることが多い。これを慢性足関節不安定症(chronic ankle instability:CAI)と呼ぶ。
CAIには関節の変性など構造面における不安定症と、機能面の問題における不安定症が存在するが、多くの場合はその両者が混在しているとされる。
治療としては固有受容器のトレーニングとしてバランスを養うエクササイズが行われる。バランスディスクの上に立ったり、目を閉じて片脚で立ったり、バランスボールを使ってスクワットを行ったりなどである。これらのエクササイズをBFRで行った場合、効果に違いは出てくるのだろうか。CAI既往歴を有する25名を対象に、前方と後方内側、後方外側へのバランストレーニングをBFRありと無しとで行った研究がある。(※1)
その結果、BFR群は外側広筋の筋活動が明らかに大きくなり、ヒラメ筋もやや筋活動が増加していた。被験者の感想として、BFRを用いたほうが姿勢の不安定性とキツさをより強く感じていたとのことである。
2018年に提唱されたCAI改善のためのBFRトレーニングとして
・まずは足首の4方向におけるバンドエクササイズやストレートレッグレイズ
・慣れてきたところで両足あるいは片足でのブリッジ、シーテッドヒールレイズからスタンディングヒールレイズなどを採り入れる。さまざまな方向へのランジも。
・最終的にはBOSUやバランスディスクを使って不安定な状態でのエクササイズ(メディシンボールトスなど)を。
といった段階を踏んで行うことが良いと示されている。(※2)
スポーツ選手に限らず、足関節の捻挫は多く起こりがちで、特に高齢者の場合、予後が悪
いとそのまま歩行距離が短くなり、健康面での悪影響が出てくると思われる。
そのような場合、BFRトレーニングによるバランストレーニングやBFRウォーキングなどでCAIの改善を期待できるかもしれない。
※1:
Effects of Blood Flow Restriction on Muscle Activation During Dynamic Balance Exercises
in Individuals With Chronic Ankle Instability
J Sport Rehabil. 2021 Feb 4;1-6. doi: 10.1123/jsr.2020-0334.
※2:
THEORETICAL APPLICATIONS OF BLOOD FLOW RESTRICTION TRAINING IN
MANAGING CHRONIC ANKLE INSTABILITY IN THE BASKETBALL ATHLETE.
Int J Sports Phys Ther. 2018 Jun;13(3):552-560.
BFRトレーニング

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