コラム

BFRと多発性硬化症/パーキンソン病


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
多発性硬化症(multiple sclerosis)は神経の髄鞘が斑状に脱髄する指定難病であり、日本にも約12000名の患者がいるとされている。
原因としては自己免疫説が有力だが、早期に治療しないと回復はなかなか難しいとされる。

13年の多発性硬化症既往歴がある54歳女性に12週間のBFRトレーニングを行わせた研究がある。(※1)
その結果、有害事象はなくFatigue Severity Scale(FSS ; 疲労の評価尺度)が改善した。またPatient-Specific Functional Scale(PSFS)という患者自身の自己評価による活動改善度においても、改善していることが示された。

多発性硬化症においては、疲労を訴えることが多いため、運動療法を進めていくことが難しい。しかし軽い強度でのBFRトレーニングならば忍容性も高く、継続可能であることがこの研究で示されている。

またパーキンソン病患者に6週間のBFRトレーニングを行わせたところ、下肢筋力と機能が向上し、RLS(レストレスレッグ症候群)を減少させ、参加者の生活の質を向上させることができたという報告もある。(※2)

BFRトレーニングは筋力や筋肥大の向上だけでなく、生活の質を高めたり健康レベルを高めたりすることができる。さらに難病からの回復にさえも効果が期待できるようだ。
今後の研究展開に大いに期待したいところである。


※1:
Blood-flow Restriction Training for a Person With Primary Progressive Multiple Sclerosis: A Case Report
Phys Ther. 2020 Dec 22;pzaa224. doi: 10.1093/ptj/pzaa224.

※2:
Blood flow restriction resistance training in a recreationally active person with Parkinson's disease
Physiother Theory Pract. 2020 May 13;1-9. doi: 10.1080/09593985.2020.1762812.

Page Topへ