コラム
2023/07/07

BFRトレーニングで筋肉量が増えることはすでに周知のこととなっています。しかし筋力を高めるためには、高重量でトレーニングする必要があるというのが常識として残っています。
しかし血流制限によって酸素濃度が低下し、解糖系が優先されるということは、速筋繊維が主に使われるということにもなります。つまりBFRトレーニングは軽い重量でも速筋繊維が使われますので、筋力は向上するのではないでしょうか。
20歳から80歳の被験者を対象にした16本の論文を分析したシステマティックレビュー/メタ分析で、高重量トレーニングとBFRトレーニングで筋力の向上について比較しています。その結果、筋力増加に違いはなかったとされています。(※1)
高重量トレーニングは神経系の発達も起こりますので、軽い重量でのBFRトレーニングよりも強く筋力増加が起こるはずなのですが、結果としてはそうでもないようです。軽い重量のBFRトレーニングでも神経系はある程度の発達が起こるのでしょう。
高齢者は高重量でのトレーニングを適用しにくいため、特にBFRトレーニングが有用となりそうです。
合計238名の高齢被験者を対象にした11本の論文からなるシステマティックレビュー/メタ分析によれば、軽い重量のトレーニングやウォーキングにおいて血流制限を行うことで、筋力を有意に改善することが明らかとなっています。(※2)
また前十字靭帯再建手術を行った患者28名を対象にした研究では、70%1RMでレッグプレスを行った群と30%1RMでBFRレッグプレスを行った群とで比較しています。(※3)
その結果、どちらも同等に筋力と筋肥大が起こり、BFR群では膝の痛みや浸出液が70%1RM群よりも少なかったことが観察されました。
高齢者にもリハビリにも有効に使うことのできるBFRトレーニングは今度さらに適用される範囲を広げていくことでしょう。
著者:山本 義徳
※1:
Effect of blood-flow restricted vs heavy-load strength training on muscle strength: Systematic review and meta-analysis.
Scand J Med Sci Sports. 2020 Feb 7. doi: 10.1111/sms.13632.
※2:
Effects of Blood Flow Restriction Training on Muscular Strength and Hypertrophy in Older Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis
Sports Med. 2019 Jan;49(1):95-108. doi: 10.1007/s40279-018-0994-1.
※3:
Comparing the Effectiveness of Blood Flow Restriction and Traditional Heavy Load Resistance Training in the Post-Surgery Rehabilitation of Anterior Cruciate Ligament Reconstruction Patients: A UK National Health Service Randomised Controlled Trial
Sports Med. 2019 Nov;49(11):1787-1805.
BFRトレーニング

BFRトレーニングが「感動の連鎖」を生む
澤木一貴です。これまでのコラムでは、BFRトレーニングの「科学的根拠」や「ビジネスモデル」、そして「医療との連携」といった、少し硬派でロジカルな側面を中心にお話ししてきました。 今回は、トレーナーとい...
澤木 一貴

BFRで高単価・時短セッション
澤木一貴です。これまで、市場分析から基礎理論、そしてターゲット層の拡大(女性・高齢者)についてお話ししてきました。 今回は、いよいよ皆さんが最も気になっているであろう「ビジネスの本丸」、つまり「収益構...
澤木 一貴

BFRのアンチエイジング効果とリハビリ
澤木一貴です。ここまで、第1回で「市場分析」、第2回で「基礎理論」、第3回で「ファンクショナルトレーニングとの融合」についてお話ししてきました。 少しずつ、BFRトレーニングが単なる「流行りの筋トレ」...
澤木 一貴

BFR「ある絶対条件:安全性」
澤木一貴です。前回は、経営者層をターゲットにした「時短・高単価」という、かなり攻めたビジネスモデルについてお話ししました。 「30分で売り上げを倍にする」 ワクワクしましたか? それとも「そんなにうま...
澤木 一貴

BFRは「場所を選ばず」
澤木一貴です。前回は「安全性と資格」という、プロとして絶対に避けては通れない、少し耳の痛い話をさせていただきました。 しかし、あの「安全の担保」があってこそ、今日お話しする「ビジネスフィールドの無限の...
澤木 一貴

糖尿病 ── 筋肉を「糖を取り込む工場」に変えるBFRの科学
澤木一貴です。これまでのコラムでは、BFRトレーニングが「筋肥大」や「アンチエイジング(美容)」、そして「アスリートのリハビリ」にいかに効果的かをお伝えしてきました。 今回は、少し視座を高くし、これか...
澤木 一貴
通常のトレーニングには1RM(1回持ち上げることが限界の重さ)の60%以上の重さを必要としていますが、BFRトレーニングでは1RMの20%程度の重さで効果を得るとができます。
BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
© BFR Trainers Institute 2025