コラム

BFRトレーニングを継続すると


  • リハビリ・コンディショニング
  • 筆者:山本 義徳
「フレイル」という言葉が知られるようになってきました。フレイルとは「虚弱」といった意味ですが、これは身体的なものだけでなく、精神的なものや社会的なものも含まれます。年をとると頑固になったり怒りやすくなったり、また軽度の認知障害が起きたりしますが、これらは精神的なフレイルに分類されます。
ある人は家に引きこもったり社会的に孤立したり独居に追い込まれたりしますが、これは社会的フレイルに分類されます。

身体的フレイルは体力の低下を指しますが、特に運動器の機能低下によって移動(歩行や経ち座り)能力が低下した状態をロコモティブシンドロームと呼びます。このとき、筋力の低下や骨粗しょう症、変形性関節炎などが起こることもあります。

そしてこの中で、特に筋肉の減少をサルコペニアと呼びます。サルコペニアの大きな原因となるのが、「日常生活で動かなくなる」ことです。腰や膝などを傷めると、歩くだけでもおっくうになります。そのような状態が続くと、どんどん筋肉が減少してしまいます。

そこでBFRトレーニングです。13本の論文から得られたシステマティックレビューでは、BFRトレーニングによって「座った状態から立つ」テストでパフォーマンスが改善し、ウォーキング試験やバランス、ジャンプ、ステップなどさまざまなテストで身体機能が全般的に改善していることが示されました。(※1)

他のシステマティックレビューでも、BFRトレーニングによって骨代謝がプラスに改善され、筋肉量の減少を抑えることが示されています。(※2)
あるシステマティックレビューでは、軽い重量でのトレーニングよりもBFRトレーニングのほうがリハビリツールとしても有用で、長期間にわたって継続しやすいという結論も出ています。(※3)

「密」となりがちなジムでのトレーニングを避け、ホームトレーニングを主に行うという動きは今後、避けることはできないでしょう。そのようなときに、軽い重量あるいは自重のみで十分に刺激を与えられるBFRトレーニングは、これからの大きな潮流となってくるはずです。

※1:
Chronic Blood Flow Restriction Exercise Improves Objective Physical Function: A Systematic Review
Front Physiol. 2019 Aug 21;10:1058. doi: 10.3389/fphys.2019.01058. eCollection 2019.

※2:
Effects of Blood Flow Restriction Exercise on Hemostasis: A Systematic Review of Randomized and Non-Randomized Trials
Int J Gen Med. 2019 Feb 12;12:91-100. doi: 10.2147/IJGM.S194883. eCollection 2019.

※3:
Blood Flow Restriction Training in Clinical Musculoskeletal Rehabilitation: A Systematic Review and Meta-Analysis
Br J Sports Med. 2017 Jul;51(13):1003-1011. doi: 10.1136/bjsports-2016-097071.

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