コラム

BFR(血流制限)トレーニングを もっと知ろう! Part 6 - 成長ホルモン


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
Part 5ではBFRトレーニングによってノルアドレナリンのレベルが高まり、テストステロンとコルチゾルの比率が改善されるということを紹介しました。
今回は有名な「成長ホルモン」について解説しましょう。

成長ホルモンはホルモン感受性リパーゼ(HSL)という脂肪分解酵素を活性化することにより、体脂肪減少に働きます。
BFRトレーニングが体脂肪減少に効果的な理由として、血流制限でのトレーニングによって乳酸が普通のトレーニングよりも多く発生し、それによるシグナルが脳下垂体に伝わって成長ホルモンが分泌されるという仮説があります。これは本当なのでしょうか。

男性を対象に行ったBFRトレーニングでは、成長ホルモンの分泌が明らかに高まったとする報告が数多くあります。(※1, ※2, ※3)

ただし女性を対象にした研究は、あまり多くありません。男性に比べて女性は安静時の成長ホルモンレベルが高く、またピルを使っている場合は運動時の乳酸増加が著しくなることがわかっています。
13名の健康な女性を対象に20%1RMで30回→15回→15回のBFRトレーニング(レッグエクステンションとレッグプレス)を行わせたところ、トレーニング前は平均で2.00ng/mlだった成長ホルモンがトレーニング後には6.23ng/mlにまで増加しました。(※4)
乳酸の量はトレーニング前で平均1.46mmol/Lだったのがトレーニング後で4.02mmol/Lとなっています。
圧力は軽めからはじめ、20mmHgずつ増やして最終的に200mmHgまで増やしていきました。

ただし普通の高重量トレーニングをしたほうが反応は良く、成長ホルモンは2.09ng/mlだったのが8.43ng/mLへ、乳酸は1.33mmol/Lだったのが7.35mmol/Lになっています。
ここではレッグエクステンションとレッグプレスを80%1RMで10回3セット、インターバルは1分です。

この研究では高重量トレーニングは追い込むところまでやり、BFRトレーニングではあまり追い込まなかったということが結果に関係している可能性もあります。
とはいえBFRトレーニングで良くある誤解、すなわち「成長ホルモンが300倍!」との表現は過大だといえるかもしれません。
重要なのは20%1RMで、高重量トレーニングに匹敵するホルモン分泌が得られるということです。特に成長ホルモン分泌が低下している高齢者の場合は、軽い重量でのBFRトレーニングを行うことで、安全に効果を得ることができると思われます。


※1:
Acute growth hormone response to low-intensity KAATSU resistance exercise: comparison between arm and leg.
International Journal of KAATSU Training Research 1, 45-50

※2:
Effects of low-intensity “KAATSU” resistance exercise on hemodynamic and growth hormone responses.
International Journal of KAATSU Training Research 1, 13-18

※3:
Muscle oxygenation and plasma growth hormone concentration during and after resistance exercise: comparison between KAATSU and other types of regimen.

※4:
Hormone responses to an acute bout of low intensity blood flow restricted resistance exercise in college-aged females.
J Sports Sci Med. 2014 Jan 20;13(1):91-6. eCollection 2014 Jan.


International Journal of KAATSU Training Research 1, 51-56

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