コラム

BFR(血流制限)トレーニングを もっと知ろう! Part 8 - ケミカルなストレス


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
筋肉が発達するのは「ストレスへの適応」によるものです。ストレスが弱いと適応反応は起こらず、筋肉は発達しません。逆にストレスが強すぎると副腎疲労などを起こし、逆にケガや体調の悪化を引き起こしてしまいます。
つまり適切なストレスを与えることが大事なのですが、「ストレス」は大きく「物理的ストレス」と「化学的ストレス」とに分けることができます。

重いウェイトを使って行うトレーニングは筋肉に物理的・メカニカルなストレスを与えます。いっぽうで軽いウェイトでも効果のあるBFRトレーニングでは、筋肉に化学的・ケミカルなストレスを与えます。

ではケミカルなストレスとは具体的にどのようなものでしょうか。身体には「ホメオスタシス」というものがあり、これは「恒常性維持」と訳されます。私たちの身体においては血圧や体温、血糖値など、だいたい一定の範囲内に維持されています。これがホメオスタシスです。このホメオスタシスを打ち破るような刺激が与えられると、それはストレスとなります。

BFRトレーニングでは四肢の血流を制限します。血流が制限されるということは、筋肉にヘモグロビンが到達しないということでもあります。すると組織に酸素が行きわたらなくなります。つまりBFRトレーニングを行うと通常時よりも酸素濃度が低下し、これがストレスの一つとなります。

また酸素が使えないときは、私たちの身体のエネルギー通貨となるアデノシン三リン酸(ATP)は「無酸素代謝」によってつくられます。無酸素代謝のことを「解糖系」と呼びますが、解糖系は最終的にピルビン酸や乳酸などの「酸」を作り出します。
酸が増えると、組織内のpHが低くなります。このpHの低下、すなわち酸性化もストレスとなります。

さらに低酸素状態で筋肉を動かすことで、ATPを産み出し筋肉のエネルギー源となる「クレアチンリン酸」も一気に減少します。このクレアチンリン酸の急激なストレスとなります。

これらの化学的ストレスによって、筋肉はストレスを感じ、それに適応しようとして発達するのです。
では化学的ストレスを受けた筋肉は、どのようにして筋肉を増やしていこうとするのでしょうか。次回からそれについて解説していきます。

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