コラム
2023/07/07

偏平足(フラットフット)は、土踏まずがなく、足の裏が地面に全部ついてしまう状態のことです。土踏まず部分のアーチの筋肉や靭帯が弱まり、さらにはなくなってしまう為に起こります。
偏平足では、足の裏側の筋肉がおとろえ、その部分の骨が下がってくる症状も伴います。すなわち、バレエでは足の甲のカーブの美しさが求められますが、このカーブを作るのが土踏まずを形成する足の内側の筋肉で、それを鍛え、厚くすることがバレエのレッスンに求められます。さらに、甲の部分の骨の構造を強化することは、トウシューズを履いた時、足首の足関節を強く保ってくれるのです。
ですから、女性がトウシューズを履き、つま先で立って踊るためには足の甲の部分の骨の成長とその骨を支える足の内側の筋肉の強化が必要なのです。足の内側の筋肉が退化し、甲の骨組みが構造上、落ちてしまうことで、土踏まずがなくなります。すると、甲の骨組みを強く保つことができなくなり、足首から上の身体の体重を支えることができなくなるのです。この結果、足関節が落ち込み、下肢を強く支えられ、膝関節が「くの字状」に折れ、さらに、腰関節が落ち込み、腰椎がたわむことで、脊椎全体が歪み、その上の肩が落ち込んでしまいます。このようにして全身の骨格が正しいアライメント(骨の並び方)を崩してしまうために、全身にさまざまな問題が引き起こしてしまうのです。
足の裏には、2本のアーチがあります。アーチはカカトのあたりから内側と外側に縦のアーチが2本(その頂点の盛り上がりが足の甲となります)と、親指から小指に伸びる横のアーチがあり、歩行時やジャンプしたときの衝撃や圧力を吸収するバネのような働きをします。
偏平足はそのバネのような働きができない、または弱くなった状態です。このようになった脚は、常に、自分の体重以上の衝撃にさらされます。足、膝、腰など身体の各部にかなりの負担がかかるようになり、疲れやすくなり、膝痛、腰痛、肩こり、頭痛などのさまざまな障害をもたらすようになるのです。
このように足の裏の筋肉は立姿勢、歩行にとって重要な役割があり、特に、バレエダンサーはつま先立ちして踊るため、足裏の筋肉を強化する必要があるのです。4~6割の子どもの足に土踏まずがなくなる現代では、バレエ教師は生徒の足裏の強化を重視したレッスンを組み立てて行くことを心掛けなくてはならないのです。
偏平足の原因は、先天的なものと後天的なものがあります。先天的なものは極めて少なく、後天的なものがほとんどです。後天的なものには何らかの病気が原因で足の筋肉が麻痺するために起こる「麻痺性偏平足」、足の損傷が原因で起こる「外傷性偏平足」、足の関節の炎症による「関節炎性偏平足」があります。一般的には、幼児期から遊びの中で遊んだり、走ったりする運動をしなかったりすると偏平足になりやすいと言われています。
治療法としてはアーチを支える組織を鍛えることが大切です。鍛える方法として最も簡単で効果があるのが歩くことです。よく歩き地面からの刺激を受け、足裏の感覚が敏感になり、筋力などが鍛えられます。さらに、土踏まずを形成する筋肉を引き締めることがもっとも効果のあるトレーニングとなります。そのため、縄跳びなどのジャンプ、つま先立ちなどが足裏の筋肉を鍛えるよい効果となります。すなわち、バレエの訓練は偏平足の矯正にも効果があると言えるでしょう。
偏平足のダンサーは、足の構造上、歩行・ジャンプ時の衝撃を十分に吸収することができないため、足は疲れやすくなり、足関節・膝関節・脊椎部湾曲の衝撃吸収の動きが妨げられることで膝痛、腰痛となり易くなります。さらに、足裏の筋肉が発達しないことが原因で、身体の体重を支えながら足裏の繊細かつ微妙なコントロール力を失うため、特にトウシューズを履いてのバランスのコントロールが苦手となります。このため偏平足のダンサーはトウシューズを履いてのバレエテクニックの習得が難しくなり、足関節、膝関節を痛め易く、さらに、足関節部靭帯の捻挫を引き起こし易くなります。
しかし、偏平足はバレエダンサーになれないわけではありません。プロダンサーにも偏平足の方もいますが、腰痛、膝関節・足関節、肩の痛みを持つ方の多いことがこれまでの治療例から指摘できます。 バレエダンサーに必要な足の甲の部
分を足の内側(足の裏側)から押し出す筋肉の強化として、高い効果を出すのが、ゴムバンドによる地道なエクササイズ、足裏のグーパー運動と青竹踏みです。
そのリハビリで大切なのは、次の5つです。
甲のラインを作り出すのは足裏の筋肉である事を理解する事
足の内側の筋肉の正しい操作法を学び、地道に足裏の筋肉を操作する事
筋肉を肥大させる事で、足の甲の部位の骨の並び方を正し、正しい土踏まずを形成する事
足裏から上半身の体重を押し上げ、身体の骨格の歪みを是正する事
偏平足が原因で起きる腰、膝関節部の障害を治療する事
これまで一端失われた土踏まずの再生は不可能と言われてきました。それほど、土踏まずのリハビリは難しいのです。しかし、その改善以外に治療法はありません。
その改善にはバレエダンサーの足の甲部分の関節構造とバレエテクニックを熟知し、足の甲の部位のバレエ障害の発生メカニズムを熟知したリハビリ指導者の地道な運動指導を受けることが重要です。さらに、通常より早く筋肉の肥大が起こるBFRリハビリにより、足の裏側の筋肉をすばやく強化することが絶対に必要であると思われます。
「里見悦郎のバレエ障害講座:BFRトレーニングを用いたバレエ障害治療」より
BFRトレーニング

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BFRトレーナーズ協会は、安全で的確なトレーニングの指導を行い、正しい知識と技術を持ったトレーナーを育成し、より多くの人たちにその効果を実感してもらえるようBFRトレーニングの普及を目指します。
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