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BFRによるウォームアップはハムストリングのケガを減らすのか

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BFRトレーニングは血流制限により組織に酸素が行きわたらなくなるため、無酸素運動が主となって速筋繊維が使われます。速筋繊維が使われるということは、スプリンターのトレーニングにも有用となるはずです。

BFR群と対照群を12名ずつに分け、両者にマックスの60~70%の速度で100mスプリントを6本、週2回を6週間に渡って行わせた研究があります。(※1)

その結果、BFR群はタイムが平均0.38秒短縮したのに対し、対照群は平均0.16秒の短縮に留まりました。またBFR群は大腿直筋の筋肥大が顕著に認められていますが、大腿二頭筋は変化がありませんでした。(※)

ここではマックスの60~70%の速度でのスプリントですから、それほど全力で行ったというわけではありません。それでもおそらくは速筋繊維が動員され、発達を遂げたのでしょう。

また大腿直筋は比較的遅筋が多いため、BFRにより新しい刺激が与えられ、強く反応したのかもしれません。

もっと軽い運動として、BFRのウォームアップ効果を調べた研究もあります。(※2)ここでは12名のスプリンターを対象に、収縮期血圧の1.3倍(約150mmHgと思われる)の圧力とし、HRRの50%で2分間5セット、インターバル1分でのウォームアップを行いました。

なおHRRが50%ということから計算すると、「(最大心拍数-安静時心拍数) * 50%+安静時心拍数」20歳で安静時心拍数が60の人だとした場合、計算上は心拍数が130ということになります。つまり明らかにウォームアップ程度の強度となります。

その結果、通常のウォームアップを行った場合よりも大腿四頭筋の外側広筋と大腿二頭筋の筋活動が明らかに高くなりました。また通常のウォームアップに比べて等速性の筋力におけるハムストリングと大腿四頭筋の比率(H:Q比)が高くなり、ハムストリングの活動を大きくすることに成功しています。

このことから研究者はBFRによるウォームアップはハムストリング傷害のリスクを軽減するのではないかとしています。

大腿直筋の発達によるスプリントパフォーマンスの改善や、ウォームアップにおけるハムストリングのリスク低減などは、スプリンターのみならず多くのアスリートたちにとって有益となるはずです。今後のさらなる研究展開が望まれます。

※1:

Low intensity sprint training with blood flow restriction improves 100 m dash.

J Strength Cond Res. 2016 Nov 25

※2:

Effects of Running Exercise Combined With Blood Flow Restriction on Strength and Sprint Performance.

J Strength Cond Res. 2019 Aug 23. doi: 10.1519/JSC.0000000000003313

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