コラム

BFRトレーニングは前十字靭帯損傷後における大腿四頭筋の機能を回復する


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
高齢者におけるフレイル予防は今後の医療における大きな目的となってきますが、フレイルのなかでも特に問題となるのが大腿四頭筋の筋力低下です。高齢者は歩幅が狭く、歩行速度もゆっくりになりますが、その原因は主に大腿四頭筋の筋力が低下していくことによるものです。

筋力トレーニングによって筋力低下は防げますが、高齢者の場合は膝や腰を傷めていることが多く、トレーニングが思うようにできないこともあります。そのような場合こそ、軽い重量かつ短時間で効果が期待できるBFRトレーニングが有用となります。

前十字靭帯損傷後の患者に週5回のトレーニングを4週間に渡って行わせた研究があります。(※1)
内容は片脚でのレッグエクステンションと自重でのハーフスクワット、ウォーキングです。一回のトレーニングにおけるトータルの時間は25分。圧は止血圧の50%です。
その結果、大腿四頭筋の筋力・筋厚が当初よりも10~20%増加しました。

ハムストリング移植による前十字靭帯再建手術を予定している患者を対象に、8週間に渡ってBFRトレーニングを行わせた研究もあります。週2回のレッグプレスを30%1RMでBFRトレーニングを行った群と、70%1RMで普通のトレーニングを行った群とで比較しました。(※2)
その結果、筋肥大と筋力の増加はどちらも同等でした。しかしバランスパフォーマンスやROM、膝の痛み、浸出液などについてはどれもBFR群が大幅な改善を示していたのです。

またアメリカ陸軍における前十字靭帯損傷のリハビリにもBFRトレーニングは採用されっているようです。(※3)

このようにBFRトレーニングは靭帯損傷からの回復にも役立ち、より軽い重量かつ短時間で痛みやROMを改善するという効果が期待できそうです。今後のリハビリテーション指導において大きな変換が起こりかもしれません。

※1:
Exercise with Blood Flow Restriction to Improve Quadriceps Function Long After ACL Reconstruction.
Int J Sports Med. 2019 Jul 23. doi: 10.1055/a-0961-1434

※2:
Comparing the Effectiveness of Blood Flow Restriction and Traditional Heavy Load Resistance Training in the Post-Surgery Rehabilitation of Anterior Cruciate Ligament Reconstruction Patients: A UK National Health Service Randomised Controlled Trial.
Sports Med. 2019 Jul 12. doi: 10.1007/s40279-019-01137-2.

※3:
The Warrior Athlete Part 2-Return to Duty in the US Military: Advancing ACL Rehabilitation in the Tactical Athlete.
Sports Med Arthrosc Rev. 2019 Sep;27(3):e12-e24. doi: 10.1097/JSA.0000000000000237.

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