コラム

BFRトレーニングは冠動脈疾患を持っていても安全に行えるか


  • BFRトレーニング
  • 筆者:山本 義徳
血流を制限するBFRトレーニングはイメージとして危険だと思われがちで、血圧が高かったり冠動脈疾患を持っていたりする場合は避けた方が良いのではないかという意見が大勢である。

では、実際にそのような場合におけるBFRトレーニングの安全性と有効性はどうなのだろうか。
18歳から75歳までの冠動脈疾患(心筋梗塞やバイパス手術経験者)患者で週3回以上の身体活動をしており、臨床的に安定している24名を対象に、BFR群12名と非BFR群12名とに分けて8週間にわたって比較しました。

エクササイズはレッグエクステンションを週2回、合計16回のトレーニング。使用重量は30%1RMで、1セット目は8レップス、2セット目は10レップス、3セット目は12レップス。インターバルは45秒です。
テンポはポジティブ1秒、ネガティブ2秒。使用重量は2週間ごとに増やされ、3週目は32.5%1RM、5週目は37.5%1RM、7週目は40%1RMでした。
圧は収縮期血圧プラス15~20mmHgです。

その結果、筋厚と筋力が有意に増大(プラス8.96kg)し、収縮期血圧が減少(マイナス6.77mmHg)しました。またFMD(flow-mediated vasodilation)と呼ばれる血管内皮機能の指標も改善の傾向にありました。
なおトレーニング期間中に有害事象は起こりませんでした。

これらの結果から、BFRトレーニングは冠動脈疾患があっても臨床的に安定した状態であれば、問題なく行うことができることが示されたと言えます。むしろ骨格筋機能に加え、血圧や血管内皮機能の改善に役立つと考えられるため、リハビリテーションとして積極的に行うことが将来的には推奨されるようになるかもしれません。

※1:
Blood Flow Restriction Resistance Exercise Improves Muscle Strength and Hemodynamics, but Not Vascular Function in Coronary Artery Disease Patients: A Pilot Randomized Controlled Trial.
Front Physiol. 2019 Jun 12;10:656. doi: 10.3389/fphys.2019.00656. eCollection 2019.

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