相変わらずシニアの消費は旺盛と言われている。ことさら自分の健康への投資は衰えを見せぬまま、新たに「スマートエイジング」と呼ばれる人たちが現れ、猛威を振るっているという。その名を創造し提唱するのが東北大学特任教授の村田裕之先生。スマートエイジングのもうひとつの特徴は、人生100年時代を見据えてますます増えてゆくボリュームゾーンであり、インターネットを上手に使いこなし情報を収集するのが上手だということ。「健康」「運動」「社会性」この3つが揃えばパーソナルトレーナーの売り手市場。侮れない相手に不足はない!積極的に食い込もうではないか。さて、スマートエイジングのゾーンは、60代の3割、50代の4割、70代の2割に広がるという。年を重ねることによる体の変化に賢く対処し、知的に成熟することが、そのゾーンの特徴。キーワードとして①運動(衰えは下半身から、下半身を鍛える)②認知(ボケないために脳トレ)③栄養(バランスのとれた食生活)➃社会性(人と関わる機会や習慣)があげられる。パーソナルトレーナーにとって、スマートエイジングの特徴である①は、すでに常識であろう。寝たきりにならないように足腰を鍛える、転倒して骨折すると要介護になる確率が高まる。そこで、足腰、特に下肢のトレーニングのニーズが高まるわけだ。成功事例はコシダカホールディングスが運営する「カーブス」。手軽に効果的にトレーニングができる場は全国に2000か所。スマートエイジングゾーンにパーソナルトレーナーを売り込むには、効果をエビデンスで示すことが不可欠。何と言っても、知識があり、情報収集に長けて、コミュニケーション能力の高い人たち、質問をされてシドロモドロになった瞬間に、ネットにお客は奪われてしまうことになる。言わばスマートエイジングは「モノ言うトシヨリ」。パーソナルトレーナーの讃える能力だけではなく、誠実な人間性も、努力を重ねる謙虚さも、勉強をし続ける真面目さも必要になってくる。なんか難しい話になってきたが、言い方を変えれば、相手が望む説明や証明をしっかりすれば納得し、信頼関係を築いてくれるということ。まずゾーンが求めることをしっかりとプログラムに組み込むこと。それはパーソナルトレーナーだからこそ提案ができる。その確実な積み重ねがパーソナルトレーナーを育て輝かせるはずだ。