コラム

疲れをとる栄養は? Part 16 ─ クエン酸


  • サプリメント
  • 筆者:山本 義徳
筆者と同世代でしたら、「バカ、ケチ、ナマケは酢を飲まない」という破壊力ある新聞広告を見たことがあるかもしれません。酢に含まれる酢酸やクエン酸が体調を改善するということなのですが、確かにこれは根拠のないことではなく、酢酸は小腸や筋肉においてエネルギー源になります。なおアルコールは酢酸に分解されて筋肉で使われますので、特にトレーニーはアルコールを分解しやすいとも言えます。
またクエン酸はTCAサイクルの出発点となるだけでなく解糖系における律速酵素(ホスホフルクトキナーゼ)を阻害してグリコーゲンの回復に役立ちます。

古いスポーツ漫画では「レモンをかじると疲れが取れる」ということで、マネージャーが主人公のスター選手にレモンを渡す、なんてシーンが描かれていたものです。これはレモンにクエン酸が含まれるからなのですが、それでしたらレモネードでも同じことでしょう。
ちなみに炭酸水は血中に二酸化炭素が入ることにより血管が拡張し、血行が良くなって水分の吸収が早まるため、普通の水よりも早く水分を吸収することができます。

炭酸水には消化器系の改善や便秘に効果があるという報告があり(※1, ※2)、どうせならレモネードも炭酸で飲む方がいいでしょう。クエン酸に重曹を加えて炭酸ガスを発生させれば自家製の炭酸レモネードをつくることができます。

ある研究ではスクワットやレッグプレス、レッグエクステンションを10~12レップスで4セットずつやらせたところ、重曹摂取群のほうが多くのレップスを行えたと報告されています。(※3)
スクワットやベンチプレスでも同様の効果が出ており、スポーツサプリメントとしての重曹の摂取は大いに期待が持てるものとされています。(※4, ※5)

炭酸ガスは冷えた水のほうが良く溶けるため、冷水に小さじ一杯ずつのクエン酸と重曹を入れ、レモン汁を追加するだけで簡単に炭酸レモネードを作ることができます。甘味が欲しければラカントなどの甘味料を入れるといいでしょう。

なおクレアpIは最初からクエン酸と重曹が配合されており、それがpHを調整してクレアチンの吸収を高めるだけでなく、パフォーマンスを改善するように計算されています。

※1:
Effects of carbonated water on functional dyspepsia and constipation.
Eur J Gastroenterol Hepatol. 2002 Sep;14(9):991-9.

※2:
[Effects of carbonated water intake on constipation in elderly patients following a cerebrovascular accident].
J Korean Acad Nurs. 2011 Apr;41(2):269-75. doi: 10.4040/jkan.2011.41.2.269.

※3:
Sodium bicarbonate supplementation improves hypertrophy-type resistance exercise performance.
Eur J Appl Physiol. 2013 Mar;113(3):743-52. doi: 10.1007/s00421-012-2484-8. Epub 2012 Sep 4.

※4:
The effect of sodium bicarbonate ingestion on back squat and bench press exercise to failure.
J Strength Cond Res. 2014 May;28(5):1358-66. doi: 10.1519/JSC.0000000000000277.

※5:
Recent Developments in the Use of Sodium Bicarbonate as an Ergogenic Aid.
Curr Sports Med Rep. 2016 Jul-Aug;15(4):233-44. doi: 10.1249/JSR.0000000000000283.

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